桜が咲いたら、思い出してね

偏見で物事を見、価値を下していることに改めて気づかせ、人並みではない見方や発見ができるはずと教えてくれている。

優輝は、祖父の受け売りで口にしているとはいえ、自分も周囲の人間とは違うからと疎まれてきた過去があるので、祖父の言葉に救われてきたはず。
彼女もまた周囲とは違う病気持ちで、高校生になってもいまだ登校できないことに悩んでいた。
彼の言葉は、救いになっただろう。
だから、彼のことを好きになったのかもしれない。

あの桜みたいになるのかな、と呟いた彼女。
花も咲かせられずに終わるのか、と嘆いたのかもしれない。
対して、たとえ近くにいなくてもずっと記憶の中で咲き続けるからと答え、とっくに花を咲かしていることを彼は伝えた。
二人にとって、告白でもあっただろう。