第18話 留学生

 あれから1ヶ月が経った、そして俺は生徒会室に呼び出された。

 コンコンコンとノックをして入室する。


「失礼します」


「あー来た来た、そこ座って」


 会長はやっぱり戦っていない時はまともだと改めて思う。


「それで早速本題なんだけど、今回呼んだのはうちの学校に留学生が来ることになったの」


「そうなんですか!?」


 初耳だ。


「でその留学生が1年の1クラスに入ることになったから、君にはその子の校内の案内だったりいろいろ気にかけてあげて欲しいの、頼める?」


 えー面倒くさいな言葉が通じないなんて事はないよな!流石にないかと自分の中で思考を完結させる。


「分かりました、できるだけの事はしようと思います」


 どんな子が来るんだろう?と思っていると。


「そう!ありがとう!」


「ちなみにいつから来るんですか」


「今日から」

 

 やっぱり撤回、会長は頭が悪い!、ありえないだろ普通!せめて一週間前には言うでしょ!やっぱりこの会長は戦闘センスは最強レベルだが頭に関しては最低レベルだ。


「もうちょっとしたら来るよ」


 そう言った瞬間後ろからコンコンコンとノックの音がしガチャッと扉を開ける音が聞こえた、早すぎない!さっき聞いたばかりなのに!


「失礼します、こんにちは私は米軍総合士官学校から来ました、アリス・アルテアガと申します、一応翻訳スキルを使っているので日本語で構いません」


 櫻さんとは系統の違う綺麗さだ、翻訳スキルを使っているから日本語が上手いのか。


「こんにちは、私はこの学校の生徒会長をしています、如月茜です、でこちらは今回貴方をサポートしてくれる白川九郎くんです」


「よろしくお願いします」


「よろしくお願いします、お気遣いありがとうございます、ですが私をサポートする人はいりません」


 いやいやここにいる俺の立場は?


「ですが留学を承諾する理由として補佐をする者をつけるしきたりなので」


「私より弱い人を補佐にしたって意味がないです」


 言ってくれるじゃん、俺にとってはその方が楽で助かるんだけど。


「じゃあ模擬戦しましょうよ、その方が分かりやすいでしょう?」


 またか!また模擬戦か!もうできれば死ぬまで誰とも戦いたくないのに!


「いいでしょう、この方が私よりも強いと言うなら受けて立ちます、私が負ける事は無いでしょうけど」


 少しだけムカついた、俺を見た目で判断した事と自分の強さに自惚れている事に対して。


「それでいいよね、九郎くん」


「はい!」


 そして模擬戦室に向かう途中会長が俺の方に駆け寄って耳元で


「絶対勝ってよね!もし負けたら三琴さんチクるからね!」


 と言われた、もし姉さんに負けたと報告されたら俺は生きているだろうか?否、確実に殺される!、そこから会長からの無言の圧力を受けながらも模擬戦室に向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

士官学校という名の地獄に縛られるが死にたくないので強くなる 〜誰かこの地獄から助けてくれーー!!〜 熊の蹄 @yuuyou8192

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ