第17話 1時間後
「お…………い!………お……い!…おい!」
「うわっ!」
目を開けた瞬間、厳つい男が至近距離にいた、だが周りを見渡して生徒会室にいると言う状況と経緯をある程度は把握した。
「はぁー……どれくらい時間経ちました?」
「1時間くらいだ」
この状況どうにかならないのか、副会長と2人っきりのこの状況を、と思っていると扉が開いた。
「ごめん!」
いきなり会長が扉が開いたと同時に俺の目の前で土下座をした。
「別に大丈夫ですよ、模擬戦ですし」
まあ確実に貴方は模擬戦だって忘れてたと思いますけど。
「でー生徒会に入るって事でいいよね?」
「分かっ!」
副会長の鳴海さんがその場にあった机をバンッ!と叩いた。
「無理矢理、生徒会に入れようとするな!」
「でもそれが模擬戦で勝った時の約束でしょ」
そうだ、俺は模擬戦で負けてその対価として生徒会に入らなければならない。
「そんな事強制したってやる気が無かったら意味ないだろ!」
「もう大丈夫です、1度約束した事を守らないなんて事は俺の信条に反します」
鳴海さんにはせっかく助け舟を出してもらったけど、約束は基本的に絶対に守るようにしているどんな事があっても。
「そうか、それなら好きにすればいい」
「ありがとうございました」
そう言い鳴海さんは部屋を出て、また会長との話が再開する
「改めて聞くけど生徒会に入るって事でいいよね?」
「はい!これからよろしくお願いします」
はぁー地獄の中の地獄に足を踏み入れた、最悪の気分だ。
「で君の役職なんだけど、庶務って分かるかな?」
「分かりません」
分かるわけがないだろ!普通!、と思いながらも話を聞く
「庶務っていうのは生徒会に関する全ての事務と色々な雑務をしてもらう役職だよ」
えっ?それってとんでもなく面倒くさいし時間ももの凄くかかるんじゃないのか!
「事務に関しては藤堂くんのロボットがほとんどしてくれるから安心して、雑務に関してはどいうのかによるけど、まぁほとんどロボットがしてくれるから」
やばすぎだろ!ほとんどロボットに丸投げしてるじゃん!楽しすぎだろ!まぁー俺にとってはラッキーだけど。
「でもね、私達生徒会はいろんなイベントをするの」
「イベント?」
そんなのあるのか?
「例えば全学年の合同訓練でのリーダーだったり、生徒会のみでの実力アップのための夏休みの訓練だったり、あと」
「もういいです」
どうやら肉体的にボロボロになりそうだ、やっぱり地獄だここは。
「そう?ならいいけど、まぁいろいろやらなきゃいけない事が多いから用事がある時だけ連絡するね」
「分かりました」
そう言い生徒会室を出ようとすると。
「ちょっと待って!」
「何ですか」
「またヤり合おうね」
誰がするかよ!一生しねーからな!そう思い無視して生徒会室を出る。
「はぁー、やっぱりこの学校はどこもかしこも地獄だらけだ」
そう言いながら帰っていく。
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