第16話 生徒会長と模擬戦

 そして場所を模擬戦室に移し、各々の準備をした。


「じゃあー準備はいいですかー?」


「私はいいよ」


「俺も大丈夫です」


 ふぅー、集中だ集中。


「では模擬戦開始ー」


 その緊張感のない開始の合図と共に突っ込む。


『銃弾』


 銃弾を周りに展開し、素早く発射する。


「先手は譲るつもりだったのに言う前に撃つなんてせっかちだね」


 銃弾が当たったが一切ダメージが与えられていない、マジかよ、少しでもダメージはあると思ったのに。


「その程度の銃弾じゃ、私の身体強化で上がった防御力には勝てないよ」


 だがそれぐらいの想定は容易にできた、だから銃弾を目眩しにして背後へ回ったんだ。


「分かってますよそんな事ぐらい、だから接近戦で戦うんですよっ!」


『衝撃』


 殴ると同時に衝撃を使ったが上手く受け流された、人間業とは思えない。


「いいよいいよいいよ!、私は1対1の殴り合いが1番好きなの!」


 あれか戦闘狂って奴か姉さんよりある意味俺の天敵だ、それに若干性格変わってんですけど。


「ほらほら!もっともっと!殴り合おうよー!」


「ちょっ!」


 とんでもないスピードで反撃してきた!しかも完全に目がイってる!、すでに追い詰められているが会長の拳を何とか避け続ける。


「ちょっと!ちゃんと反撃してよ!」


 急に逆ギレ!こっちがキレそうなんですけど!


「いやいやいや!無理でしょ!」


 すると会長の周りに銃弾が展開される、明らかに俺のより10数倍銃弾が多い。


「じゃあもう蜂の巣になって」


 いや!俺の体を穴だらけにしようとしてるじゃん!


「いやちょっ!」


 避けきれないあの量の銃弾は!はぁーまた気絶するのか、あんまり使いたくないのに!、そして九郎の両手が光だす。


『白極双刀』


 片手に白い刀ともう片方には黒い刀を出した、そして銃弾が発射された。


「うおーーーー!!!!」


 自分に向かってくる銃弾を全て弾き返す。


「はぁはぁ、あ゛っ!」


 お腹から内臓を押し上げられるような強い痛みを感じた。


「ゴホッ!ゴホゴホッ!はぁはぁはぁ」


 床に膝をつき悶える、立てない!足が言う事を聞かない!


「ちょっとーへばらないでよ、これからなんだからさ」


 俺の目には姉さんよりも悪魔に見える。

 これでもしも負けた時、今まで以上の地獄が待っていると何となく分かった、だから絶対に負ける訳にはいかないと思い、二つの刀を握り締めながら起き上がる。


「ふぅー、ハッ!」


 その時一瞬二つの刀から頭にスキルの情報が流れ込んできた。


「俺は!負けない!」


 そして白い刀が真っ赤な火に包まれる。


「おっ!楽しくなってきたよ!」


 そんなに笑う余裕があるんなら!


「喰らってみやがれ!」


天道一閃てんどういっせん


 真っ赤に燃え上がった火の斬撃が飛び出して会長に向かう。


「これだよ!これ!これを待ってたんだ!」


 そう言いながら斬撃を受け止める。


「うっ!はあーー!」


 そして俺の斬撃を天井へと弾き返した。


「終わっ…………………た」


 バタッと倒れそこから意識が途絶えた。


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