You are…

言の葉綾

You are…

ノートの隅っこに書く

自分自身への悪口

無心に書き続けていたら

いつのまにか授業は終わっていた

それが僕の日課


いつも机にしきりに向かう

そんな僕を君は

まるで地図を切り取ったように

じっと見ていた


僕のなかのプライベートゾーン

君は見境もなく

「君、何をしているの」と

僕に問うてきた

まっすぐな瞳で


なんなのだろう

この感覚は

心の奥底にじっと響く

鼓を打ったように

無心に書いていたその右手を

僕は初めて止めた


ノートの隅っこに書く

自分自身への悪口

羅列された言葉たちが

ひどく汚く見えてきた

そんなの初めて


机で呆然としている

そんな僕を君は

まるで望遠鏡の焦点を合わせたように

じっと見ていた


僕のなかの見られたくないもの

君は不思議そうに

「君、何を書いているの」と

僕に問うてきた


「嫌だよ、見せない」

そう僕が言っても

君は「いいから」と言って見てきた

残念だけどきっと君が思うような

僕じゃない

そう思った

だけど君は


「君ってこういうこと言うんだね」

面白い

そう、笑っていた


なんなのだろう

この感覚は

心の奥底でぴんと弾む

しゃぼん玉が空を飛んだように

君の無邪気な笑顔を

僕はただ見ていた


心が弾むようなできごとなんて

生まれて初めてだよ

何かに感動する初心な心が

僕のなかにも存在していたんだね


なんなのだろう

この感覚は

心の奥底で喜んでいる

大地を颯爽と駆けて行くように

君のことを僕は

こう呼ぶと決めた

「友達」と

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You are… 言の葉綾 @Kotonoha_Aya

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