お前には黙秘権も弁護士を呼ぶ権利もねえッ!!!!
@HasumiChouji
お前には黙秘権も弁護士を呼ぶ権利もねえッ!!!!
ボゴォッ‼
その音と共に、女性の口からは血と折れた歯が飛び出した。
「な……なにするんですか……警察官が、こんな事をして」
ドゴォッ‼
続いて、先程のパンチで床に倒れてしまった、この女性の腹に蹴りが入る。
「ぐ……ぐへっ……」
「我々も、こんな事はやりたくないんですよ……」
取調べをしている2人組の男性警官は、絵に描いたような「善い警官と悪い警官」だ。
「善い警官」の方は、今時、映画やドラマにも出て来そうにないほどステレオタイプな「
「おい、おめえは、とっとと、俺達が用意した書類に名前書いて拇印を押しゃあいいんだよ」
「な……何を言ってるんですか……弁護士を……」
「おまえには‼」
蹴った。
「弁護士なんざ‼」
更に蹴った‼
「呼ぶ権利はねえ‼」
また蹴った。
「この非国民がッ‼」
蹴った。蹴った。蹴った。何度も蹴った。
「このままでは……貴方は死んでしまいますが……それは我々としても望ましくない。貴方が、この書類にサインしてくれれば……医師に診察させますが……どうですか?」
別に長期間拘束されていた訳ではない。
だが……。
取調べを受けている女性の目は……いわゆる「死んだ目」と化しつつ有った。
「本当に……医者に見せて……もらえる……?」
「ええ、じっくり診察と治療を受ける事が出来ますよ。費用は警察持ちで」
「は……はい……えっ?」
書類にサインしようとした途端……女性の表情は……。
「な……なに……これ?」
「見ての通り、
「そ……そんな馬鹿な……」
「貴方が受けた負傷は……貴方の内縁の夫によるものです」
「な……何を言って……」
「我々は、あくまで被害者に事情を聞いていただけなので、この部屋で起きた事は録画されていません」
「そ……そんな……」
「そして、貴方は容疑者ではなく、被害者だったので、勝手ながら弁護士を呼ぶ必要は無いと判断しました」
「ま……待って……」
「医師による診察と治療を受けたければ……そして死にたくなければ、早く署名して下さい」
「あのねえ……公安さんさぁ……何やってんの?」
「すいませんね。ここんとこの不祥事続きで、ウチの部署は検察や裁判所の覚えが目出度くないんですよ。代りに、貴方の部署で、我々が捜査してる男が
「いい加減にしてよ……」
「何言ってんですか?
お前には黙秘権も弁護士を呼ぶ権利もねえッ!!!! @HasumiChouji
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