【短歌】放課後に咲く躑躅
あしわらん@創元ミステリ短編賞応募作執筆
笑顔咲くあなたの横顔遥か遠く 向かいに座りし人を羨む
放課後にふらり現る来訪者 あなたはわたしの名を知らずとも
端と端 六つの机に隔てられ つまることなきあなたとの距離
笑顔咲くあなたの横顔遥か遠く 向かいに座りし人を羨む
縁結び 神様おねがい 今度こそ 彼のとなりの席になりたい
橋渡し 任せてと友 頼もしく 彼に声掛け遊ぶ約束
首すじをさすって照れる彼のYES はにかみ笑顔で殺す気ですか!?
小テストやる気が起きない小テスト 明日は何を着ていけばいい?
日曜日 駅の北口ロータリー いつもと違う普段着の彼
わいわいとカフェに六人ソファー席 肩が触れ合う これは夢かも
決められない レモンもいいしライムもいい オレのひと口あげるよと彼
ストローをグラスに挿して先いいよ あなたが飲んだの、飲みたかった
彼の前 幼馴染の女の子 交わす視線がトクベツだった
こんな時 雨とかなにか降らないの? 盛り上がる中ひとりぽつんと
帰るまでぜったい泣くなと言い聞かせ 家の階段カウントダウン
3、2、1……ゼロで枕に顔を伏せ 泣き濡れてなお焦げる想いは
翌朝の鏡に映るむくみ顔 泣き腫らした目は恋の勲章
おはようと努めて明るく手を振った 笑顔の挨拶それだけでいい
気持ちだけ伝えてみたらと囁かれ 許されるかもわからないまま
山
愛でて日の入る
過ぎし日に愛でたいつかの山躑躅
【短歌】放課後に咲く躑躅 あしわらん@創元ミステリ短編賞応募作執筆 @ashiwaran
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