第1話 意図せぬ奇跡

「あぁ…ああっ。ど、どうしてっ!どうして…貴方が、ヘグニが死ななくてはならないの…」


目の前にリーネの姿が見える。

彼女の瞳に映る自身の姿はボロボロだった。

利き手は関節とは真逆の方に折れ曲がり、右目はとっくに光を映していなかった。左足は膝から下が、右足は付け根の部分から食いちぎられていた。


唯一無事だった右手で彼女の頬を撫でる。


リーネは私の方を真っ直ぐと見た。絶望の中でも光のある眼で、だ。


「リーネ、俺は…さ、きに…逝、くよ。大丈夫、君なら俺がいな、くても…きっと生きて、いける」


だから大丈夫。そう思って笑って逝った。


はずだった。

月日にしておよそ数百年後の世界でヘグニは息を吹き返した。


「…なんで?!いやいやいや!俺はつい!さっき!死んだはずだろう?!」

まて、落ち着け。あぁそうだ死んだはずなんだ。

けれど死んでいない。

「気が狂いそうだ。あぁ…リーネが恋しい…」


少し落ち着いたとき周りの様子がおかしいことに気づいた。


「魔素が薄い?確かに人が多いところは少し薄いと感じる場所もあったが…」


彼は異変を感じ走る。

人影らしきものを見つける。

「はっ、これが第一村人発見と言うことか」

人影に声をかけるためまた走る。


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神星妖精譚 八神レイジ @rkarimero

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