第4話
「大丈夫?痩せたんじゃない?」
友達の心配そうな表情に申し訳なくなった。
私は大丈夫だよ、全然平気。
「忘れちゃいなよ!今度遊びに行こう?紹介して欲しいって言われてたんだずっと」
そんな気分になれないから曖昧に笑ったけど、そうやって気遣ってくれる友達は好き。
みんないい子だし、みんな可愛いんだもん。
友達の顔ぶれは時々変わるし、もしかしたら私だって明日は違う子とお昼ご飯食べてるかもしんない。
けどみんな好き、悪気なんてあっても無くても一時的なもんだし、いい所をいっぱい知ってるから。
「てゆうか、ご飯行かない?南高の子達から遊ぼうってDM来てるんだけど」
「この子彼氏と別れたばっかだって」
「失恋は新しい恋で忘れるもんだよ」
そうなんだ、それ格言って言うの?忘れられるもんなの?初めてってすごく私の中で高価なものだったけど、それ以上の価値を私に見出してくれる人が居るの?いちばんをくれる人に出会える?
「行く、すごい楽しみなんだけど」
「だよね!カッコ良くて有名な子いるらしいよ」
「丁度DMきたわ」
「あ……私も、来たんだけど」
「え!その子じゃん、有名な子!」
「へぇ」
「てゆうか。あんたの元彼、律人だっけ」
「……りっくん?」
「ほら、付き合ってた時から会ってた女の子いたじゃん?その子と歩いてたようちら見たもん」
「なんかむかつくよね」
「友達だって言ってたよ……」
「えー!俺さ、りっくん?合コンで見たけど」
「え……いいなぁ」
「ぶは!馬鹿じゃね?お前の元彼だつって友達増やしてたけど、可愛い顔してるしモテんだねりっくん」
うっさいな、知ってるよりっくんのいちばんはもうずっと前に失ってるって。
りっくんより良い人で、誠実なひと、もっと格好いい人で優しい人のいちばんになって絶対に見返すんだから。
惜しいなって思ってよ、
いい子だったなって後悔してよ
私の高価なものぜんぶ、
私の価値をぜんぶもってた癖に
他の子のほうが良いなんてひどいよ
「もう別れたし、どーでもいいよ。てゆうかこの人めっちゃ格好いいね。会うの楽しみになっちゃった!」
誰でも良いんじゃなくて君が良い 深月 アモル @amor_miduki
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