ラブコメの主人公みたいにヒロインに紳士的な行動をして信頼を得たのだが、急に告白されたので断った。

紗斬_涼【スランプで更新作業はしてない】

第一章 告白

第1話 告白

「私……海渡かいとくんの事が好きです。付き合って下さい」


 俺の名前は汐川しおかわ 海渡かいとだ。なんの変哲もない……普通の高校生だと

 そしていま俺は人生で初の告白を受けている。相手は俺の通っている高校。いや、テレビに出ているアイドルよりも可愛いと言っても過言ではないほどの銀髪美少女、成瀬川なるせがわ 玲羅れいらだ。


「そ、それマジで言ってるのか?」


 高校生活二年目の5月。時間は2時を過ぎで場所は俺の家のリビングだ。『は? なんでそんなところで告白されてんだ?』と思っただろうが事実なんだよ。


「うん、私はあなたの事が好きという気持ちが抑えられないほどに好きなの」


 これは。いや、俺に好感をいだいているのは知っていたのだが、それが恋愛へと向いているとは気づかなかった。俺は自分のことは鈍感じゃない……と思っている。

 昔の俺がこの光景を見たら驚くだろうな。『こいつは俺じゃないっ!』って言いながら。


「――玲羅れいらの気持ちはわかった。」


「っ! じゃあ――」


 男ならこの告白を受けるだろう。だが俺は


「ごめん、玲羅れいらの気持ちには答えられない」


そのに当てはまらない男だ。


「……」

「……」


 何方どちら逡巡しゅんじゅんを巡らせる


「う、嘘だよね? 私の耳にはごめんって聞こえたんだけど……そんなこと言ってないよね?」


「……」


「っ……ぐすっ……」


 泣かせてしまった。いや俺のしたことを考えれば泣くのも当然のことか。


「俺は、俺はそんなつもりじゃなかったんだけどな……――」


「っ……私もう帰ります……」


「あぁ……わかった」


 そう言って玲羅れいらいや、成瀬川なるせがわは家を出ていった。

 成瀬川なるせがわをフッた理由は意外に単純なものである。

 振った理由は俺では成瀬川なるせがわの家に釣り合わないからである。

 成瀬川なるせがわの家は簡単に言えば金持ちである。親は父親が社長なのである。つまり成瀬川なるせがわは社長令嬢ってことだ。

 そんな成瀬川なるせがわに俺が釣り合うわけがないので俺はフッた。

「愛の力があれば乗り越えられる! 」などと言う人も世の中に入るが俺には家の事情などでどうやっても玲羅れいらと結ばれるのは難しい。


「意外と心に来るな……」


 なぜこの俺、汐川しおかわ 海渡かいと成瀬川なるせがわ 玲羅れいらに告白されるまで至ったのか気になる人もいるだろう。今から皆に教えよう。

 さてどこから話したものかな?








 ―――――――――――――

 作者の言葉


こんな、ジャンルはラブコメだけどコレジャナイ感が若干ある本作を見つけていただきありがとうございます。


面白かったら♡を押して応援コメントを書いていただいたら作者が(過去に投稿した話でされたものだとしても)返信をいつでも返します。

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