第4話 討伐
ゴブリン討伐の依頼をこなすために王都から少し遠くの森に来た。もっと王都から近い森もあったのだが、試験を受けていて時間が経って昼ぐらいになってしまったのですでに手前の森は冒険者でいっぱいになってしまっていた。
なので仕方なく王都から最寄りの森からさらに1時間かけてこの森にやってきた。見た感じ冒険者はいなく魔物の痕跡も多くあるのでこの判断は正しかったのだと思う。
今回討伐するゴブリンは単独でいることが多いが彼らは同じゴブリンの血の匂いを嗅ぎつけ一箇所に集まってくる。個々の力は低いがゾンビ特攻をする事で格上の相手でも疲労させ倒してしまう。そんな生存戦略を持つゴブリン相手には1匹倒したらすぐに必要な部位を剥ぎ取ってその場を立ち去ることが必要とされる。
しかし僕はこの習性を利用して一網打尽にしてやろうと考えた。そして、僕は1匹のゴブリンを発見した。
「みぃつけた。」つい言葉が出てしまった。今とても昂っている。
こちらに気づいたゴブリンは短剣を抜いてすぐに襲いかかってきた。ゴブリンの特徴である直線的な動きで迫ってくる。如意棒で足を払うとすぐに倒れる。その隙に相手の胸めがけて如意棒を伸ばしながら突く。胸骨ごと粉砕しながら相手の息の根を止めた。
まずは1匹倒したのでゴブリンが集まってくるまで木の上に登って待機しておく。
そして5分ほど経ち20匹ほどのゴブリンが集まった。どうやら1匹のゴブリンの血ではあまり広くまで匂いが飛ばないようで勢いよく集まってきていたゴブリンの波もだいぶおさまっていた。ゴブリンは様々な武器を使うということもよく知られていて、この場所にも短剣や長槍、斧に弓など様々な武器を持つゴブリンがいた。
やっぱり弓が厄介だよね。僕は木から1匹ゴブリンを素早く薙ぎ払い、倒した。そして木から飛び降り他の弓を持つゴブリンに飛びかかる。それと同時に僕がいた木の上に矢が一斉に放たれた。ゴブリンという下級の魔物といえど反射速度は人間と同等かそれ以上のものを持っている。
近接武器を持ったゴブリンは木から降りた僕を包囲して確実に仕留めにくる。それに合わせて自分は如意棒を使い上に高く飛び、同士討ちさせる。そうして互いに武器を突き立てたゴブリンたちは生き絶えた。
これで元からいた数の半分くらいを倒した。しかし、ゴブリンはさらに数を増やしていた。だが僕の武器は如意棒!広域殲滅はちょちょいのちょいさ。長く伸ばした如意棒で回転しながら広範囲を薙ぎ払う。周囲の木までも薙ぎ払い大きな土埃がたった。
「こほっ。こほっ。流石にやりすぎたかな。でも、これでこの一帯のゴブリンは全部やったかな。流石に疲れたから耳とか魔石とかを剥ぎ取って帰ろうかな。」
僕は器用に如意棒を使い素材の回収を始めた。
ウェポンマスター達の物語 ずんどこたろう @zundo
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