第3話 パートナー
試験を終え僕は無事冒険者になった。
「ちょっと君良いかい?」
先程試験の審査員をしていたドワーフの方が話しかけてきた。
「はい。どうしましたか。」
何か悪いことでもしたかと思い、恐る恐る聞いた。
「単刀直入に言おう。わしを君の専属にしてもらえないだろうか。」
「えっ!いきなりですね。これってよくあることなんですか。」
「いや。そんなことはないな。わしは君とその武器に興味を持ったんだ。わしは近い将来、20年後くらいに家の鍛冶屋を継ぐことになってるんだ。それで一度はウェポンマスターの担当について経験を積んでおこうかと思ったんだ。それに君の武器はこの辺では珍しい武器だ。わしは一度東方に行ったことがあるんじゃがそこでも使用者は大きな大会に一人いた程度だった。是非その武器のことを深く知りたいと思ってな。」
20年が近い将来だという事に一番驚いてしまった。ドワーフは長命だと聞くが時間の感覚も違うのだなと実感した。それにしても、かなり熱く語ってくれて心が動かされてしまった。
「是非僕の方からもよろしくお願いします。」
「それではわしの方から申請しておく。任せておいてくれ。ところで武器を見せてもらっても良いか。どうなっているのか気になってな。」
「はいどうぞ。ちょっと重いかもですけど。」
「おぉ。確かに重いな。30キロはあるか。これをいつも背負っているとはすごいな。」
ドワーフの人はそういってまじまじと武器を見つめる。そういえば名前聞いてなかったな。
「僕はユウっていうんですけど、ドワーフさんはなんでいうんですか。」
「そういえば自己紹介がまだだったな。わしはロード。これでお前とも縁ができた。武器は返すぞ。これはどうやって伸び縮みさせているんだ。仕組みがないように思えるんだが。」
「これはですね…僕にもよくわかってないですね。」そこは秘密にしとかないと…
「まあ、そういう事にしておくか。」
だいたい察しられたかもしれないけど、話を変えて依頼の話をしようかな。
「早速依頼を受けたいのですが、良いですかね。」
「アイヨ。君はね討伐系の依頼がいいかな。その中でもゴブリン討伐なんてどうかな。奴らは群れを作って行動している。君の武器はリーチも長く囲まれる前に1体ずつ確実にやれるはずだから初戦には丁度いいと思うよ。他に下水道の掃除とかあるけど、掃除道具とかも持たないでしょ。」
「そうですね。持てないです。じゃあゴブリン討伐で。」
「これもわしから申請しとくから夕方にわしのところに討伐確認部位の耳を持ってきた数だけカウントされて報酬が出るからとりあえず、耳だけでも持ち帰ってきてね。それ以外の部分も買い取れるから待てるだけ持ってくるといいかもね。それじゃ頑張って。」
初の依頼はゴブリン討伐。王都の近くにある森に僕は向かった。
ロードさんという専属のギルド職員についてもらって良い関係を築けそうなので良かったと思う。これから冒険者として頑張っていきます。
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