第3話

「おもしろそうだな、銀奈、オレにも貸してくれよ」

川魚はそう約束すると、人ごみに消えて行った。

「そうだ、充に貸してやろう」

銀奈は親友の充に先に本を

読ましてやりたくなった。

「よーっ」

スタバに行くと、約束通りに充が先に来て

コーヒーを飲んでいた。

「どんな本」

「ジョン・ヒュウマンっていう人が描いて

いるらしいんだよ」

「外国の作家さんかなあ」

充が珍しいものでも眺めるような仕草をした。

「それじゃあ、ちょっと借りていくね」

充も人ごみに消えた。


次の日、充が爆死したというニュースは

瞬く間に全国に広まった。

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