ダンジョンに入ることで多くの人が得られる、人智を超えたスキル、ステータス上昇による身体能力の向上。
その恩恵を受けられないダンジョン不適格者の主人公は、一向に実を結ばない都会での配信者活動を諦め、地元・遠野の地に帰ることに。
そこで偶然取り込まれた脱出不能な妖怪ダンジョンにて、配信映えする座敷わらしに出会ったことで、彼の配信者活動は一変します。
スキルもステータス上昇もない主人公が、妖怪知識と経験による攻略法でダンジョンのモンスターを倒していく話……ではあります。
が、実態としては、素の身体能力と思い込みでトンデモ理論を実現する無自覚無双。
登場人物や配信視聴者も、主人公の異常性にドン引きしつつ、根が善良な弄られキャラとして愛されてゆく。
日常コメディと爽快なアクションのバランスもよい良作です。
意図してなのかはわかりませんが
悪い意味ではなく、妖魔夜行を思い起こさせる作品です。パクリではないです
20年以上前ですが、グループSNEという会社で「シェアードワールド」(世界感を共有しつつ、多数の作者が書く。素人も書く)小説がありました。クトゥルフと近い形です
人間の思いによって生まれる妖怪というものがテーマだったのですが、それに近いです
人の信じる形や、恐怖や畏れによって形が変わっていく妖怪という世界が書かれています
夜魔夜行でもそうでしたが、自立できた自己を確立した妖怪は独自に生きて、そして、まだ人の思いに縛られている妖怪は、想像されたままに生きる世界
まるで、終わってしまった作品が蘇ったかのようで嬉しいです