273 夜空の下
魔法はイメージの世界。
ルナは、それがずば抜けている。
だがカルタ以上に気弱で、魔法はあくまでもお遊びの延長線上だと考えている。
敵を倒したりすることは好きじゃない。
なのになぜ順位を上げていたのか、それが、不思議でならない。
だが俺は確信を持っていた。
彼女が持つ稀有な魔法を習得できれば、デビが更に進化するだろうと。
ある意味ではお約束に乗っ取ったみたいなものだ。
誰だって変身は好きだろう?
「なあデビ、お前もそう思うだろ?」
「デビ?」
しかし俺は、ルナの魔力探知の鋭さを侮っていたらしい。
突然に上を見上げて、俺に気づく。
「…………」
「…………」
二人して真顔。
デビは首を傾げた後、可愛く微笑んだ。
ナイスだ。彼女はカワイイのには目がないと書かれていた。
だがしかし――。
「……夜空の下、まだ」
そんな訳の分からないことを言うと、また消えていった。
原作通りのムーブではあるが、リアルだとこうもなんかむなしい気持ちになるのか。
夜空の下……。
……どういうことだ?
だがあの目、あの言葉、呟いているというよりは、俺に直接向けられている感じがする。
……おいヴァイス、お前もしかして何かあいつと過去があるのか?
思い出そうとすると、ヴァイス・ファンセントしての過去がじわじわと浮かんでくる。
母の思い出、リリスを虐めていたダメな自分。
その中、深い深い底で、俺はまさかのルナを見つけた。
まだ幼少期のヴァイス、舞踏会の端で、二人で踊っていた。
そこでなんか……約束をしたような……。
―――――――――――――――
あとがき。
新作のエルフも投稿しています。
のんびりまったり好きなように書いてるので良ければ。
【 強さをひた隠しにしていた雑務書記の俺、魔法本 (物理防御貫通 魔法防御貫通 攻撃力∞鈍器)で戦っているところを女帝にバレた結果、秘書兼護衛に栄達した】
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今までの面白さを詰め込んだ内容になっており、当分毎日更新する予定です。
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