265 決意

 ――デビ。


「デビビ!」


 デビを出現させて、真正面から突っ込ませた。

 ロズは眉をひそめながら攻撃を仕掛けるも、デビが防御シールドで防いだ。


「使い魔が……無詠唱で魔法だと?」

「デビビ!」

 

 元々闇魔法は使えたが、高ランクの魔法はできななかった。

 これは、俺たちの特訓の成果だ。


 続けてデビは、ロズの足元に粘着性のある闇糸を付与した。

 そこには、重さの魔法を付与している。


 ほんの数秒かもしれない。

 だがそれが生死を分ける。


 そのまま一撃必殺ワンヒットキルを放つ。


 狙いは胴体。日本刀で防ぐことはできないほどの魔力を込めている。


 例え強制転移しても、閃光タイムラプスでふたたびぶった斬ればいい。


 これで、終わりだ――。


「――ピーチ、飛ばしてくれ」


 だが次の瞬間、ロズが突然に消えた。

 俺の風攻撃が空振り、その場から忽然と消える。


 突然に魔力が後ろに移動した。


『対象、ロズが出現』


 そして次の瞬間、セシルが言った。


 原作にない魔法。


 ――だがこれは、以前に彼女が予想していた通りだった。


『――転移移動だと?』

『おそらくだけど、隊長クラスが魔道具の近くに移動してくるはず』

『……なぜわかるんだ?』

『以前の大規模侵攻で、エヴァさんとミルク先生の相手が消えたでしょ? きっと、私たちの知らない何かがあるはずよ。でも、きっと”条件”もあるはず』

『なら編成のし直しだな。俺が、古代魔法具の近くで――』

『大丈夫。私に任せてほしい』

『……悪いがセシル、それはできない』

『信じてほしい。――私はもう、負けないから』


 原作のセシル・アントワープの戦闘力は、悪いが最低クラスだ。

 持ち前の頭脳は変わらないが、魔力が上がってるわけじゃない。


 確かにクロエのおかげでフィジカルは上がったものの、魔界の将軍を倒せるとは思えなかった。


 俺ならすぐに向かえば間に合うだろう。


 だがそれは、彼女を信頼していないことになる。


 依然として魔物は増えており、シンティアは必死に戦っている。


 ……答えは、ひとつだな。


「――ヴァイス、いいのですか」

「ああ。だがすぐにここを片付けるぞ」

「わかりました。大丈夫ですよ。セシルさんは、もう負けません」


 ―――――――――――――――

 あとがき。

 次回、セシルが覚醒。


 この話が終わると学園編、ちょいちょい新キャラとお話したと、先生ズとヴァイスたちがいっぱい絡む予定です☺


 https://twitter.com/akujyoku

 皆様、『怠惰な悪辱貴族』の公式Twitterアカウントはもう見ましたか!?


 ◤ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

フォロー&リポストで

#キャンペーン 応募完了

   _______◢

カバーイラスト公開記念で、直筆サイン入りカバーor口絵を四名様にプレゼントです!


『怠惰な悪辱貴族に転生した俺、シナリオをぶっ壊したら規格外の魔力で最凶になった』

 発売日:2024年3月29日(火)

 (紙本&電子共に予定)


 レーベル:角川スニーカー文庫 様。

 担当イラストレーター:桑島 黎音 様。

 

 【Amazonリンク&イラスト付き】

 https://twitter.com/Kikuchikaisei/status/1755186344601804896


 【近況ノート&イラスト付き】

 https://kakuyomu.jp/users/Sanadakaisei/news/16818023213152743067


 よろしくお願いします☺


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る