1 さいしょ
私の目に映る君はいつもおどおどとしていた。
教室の端っこで特に友達と話すわけでもなく、ずっと1人で。
でも友達を作らないわけではなく、話しかけてくれる同級生を拒むわけではない。
ただ私のことだけはどことなく避けている気がする。プリントを渡す時、同じグループで課題をこなす時、廊下ですれ違った時なるべく目を合わせないようにやり過ごされてる気がする。
「私何かしたかなぁ‥」
高校生になる私と君は小学生から何度も同じクラスになったこともある友人の1人ではあるが、話したことはほぼなく嫌われる理由も思いつかない。
あまり関係性のない人であっても嫌われるのは良い気分ではない。
そんなことを考えていると後ろから肩を叩かれた。
「柚、おはよ」
声をかけてきたのは彼氏の雅也だった。
「どうしたんだ?悩み事?」
「え?どうして?」
「いや。悩んでるように見えてさ」
周りからそんな悩んでるように見えたのか。なんで今更彼のことを考えているんだろう。
「あー。彼の事。なーんか私避けられてるっぽいんだよねぇ。なんでだろ」
「あー藤井のことね。あいつ不思議なんだよなぁ。結構お前のこと見てる気がするし。お前のこと好きなんじゃね?」
雅也は笑いながらそう答えた。
「やめてよ〜。そんなことないって」
彼に限ってそんなことはない。実際見られてることも今知った。
「まぁ俺の柚だから渡さねーけどな。はっはっは」
「そんなこと言ってないで早く自分の教室戻りなよ」
「へいへい」
雅也はだるそうに自分のクラスに戻って行った。
セカンドライフ うみせまる @F_sea_xlow
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