第6話

これは私の学生のころの話です。

塾の帰りのことです。


今日も疲れたなと思って夜10時くらいに塾から川辺の土手を歩いて家に帰っていました。

その土手は、昼間は通学路やランニングコースにもなっていて、

川辺の近くだったこともあり子供たちが遊んでいることもありました。


しかし、夜だったこともあり、人が一人もおらず子供ながらに不気味に思っておりました。

怖いなと思っていたら、前方から人が歩いてきました。ベビーカーを押しながら。

正直似つかわしくないなと思いました。だって夜10時ですよ。

でも、納得しようと考えを巡らせながら前方に目を向けないように下を向きながら早足で歩き続けました。

そして、すれ違いざまベビーカーの中身が見えました。

サイズの合っていない服を着せた人形が座っていました。


もう怖くてそこから一切振り返らず家まで帰りました。

その人はそこから一度も見ることなく、そのような人がいるという噂も聞くこともなかったんですよね。



25歳 市役所勤務 男性

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色々聞いた話 @anonymous1765

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