最終話「俺たちの戦いはまだまだ続く――!」
「おーい? 素が出ているぞ」
「――はっ!? こほん。これはその……た、魂がこの身体にまだ適合しきっておらぬゆえ、仕方がないのじゃ。ほ、ほんとだよ?」
「なるほど、そういうことか」
「う、うむ。分かればよいのじゃ」
今のでなんとなくこの子のことが分かった気がする。
これはいわゆる一つの『ロールプレイング』をしているのだ。
『天界より使わされし聖なる
OKOK。
これなら俺にも理解できるよ。
男女問わず誰もが通る道だからな。
黒い歴史を生きることは、未来ある若者の特権だ。
「私はリュカ・フリージアです。リュカって呼んでくださいね」
「遠距離戦は負け知らず! 絶対要塞――アブソリュート・フォートレスのリュカ・フリージアさん! うわぁ、すごいです!」
「私はアスナ・タチバナ。世紀の大天才アスナちゃんだよー」
「フェンリルの開発者の!? あんなすごいマジックウェポンは初めて見ました! 会えて感激です!」
「デュエル・アナリストのヤマト・リンドウだ。よろしく」
「極めて有能なスタッフだと聞いておる。くくく、これからよろしく頼むのじゃ」
俺に対してだけとても反応が薄かった。
というか元に戻っていた。
だがまぁそれも仕方はない。
なにせマリーベル、リュカ、アスナの3人ときたら、姫騎士デュエル業界を席巻する今を時めく有名人だからな。
そりゃあ反応も違って当然だ。
それでも大人なら失礼のないように俺にも同じ対応を見せるんだろうが、ま、まだ十代の子供だ。
ここは大人の俺が、器の広いところを見せてあげようじゃないか。
「おおむね自己紹介も済んだようだね。さて、せっかく新しい仲間が増えたんだ。今日のディナーは親睦を深めるために、懇親会としゃれこもうじゃないか」
ミューレのなにげない一言に、
「コービー牛の焼き肉!?」
アスナが鋭く反応する。
「お前はそれしか言えんのかい」
「ふーん。じゃあヤマトは食べたくないんだ? コービー牛だったらヤマトはお留守番だね」
「そ、そんなことは言ってないだろ」
お留守番だなんてそんな殺生な。
俺だって連れて行ってもらえるなら、そりゃ食べたいに決まっているだろ。
人生で何回食べられるか分からないんだから。
「欲望に素直になりなさい。アタシのように!」
「はい、すみませんでした。アスナが正しいです」
俺とアスナのやりとりを見て、
「アスナはあのお店が相当お気に入りみたいだね。うん。なら前半戦首位ターンのお祝いも兼ねて、今日はコービー牛にしようか」
ミューレが苦笑しながら言った。
それにアスナが満面の笑みで万歳したのは言うまでもない。
◇
こうしてライトニング・ブリッツに新たな姫騎士が加わり、ついにメンバーが3人揃うこととなった。
エクシリアの能力はまだ未知数だが、ミューレが見つけてきたのだから、リュカやマリーベルのような才能あふれる姫騎士なのは間違いないだろう。
俺もデュエル・アナリストとして、チームに貢献すべくさらなる努力をしていくつもりだ。
ゴッド・オブ・ブレイビアはまだ半分以上を残している。
他のチームは、俺たちの前半戦の戦いを徹底的に研究して対策を立ててくるだろう。
追う者から追われる者に立場は変わりマークも厳しくなるだろうが、俺はちっとも心配はしていない。
リュカとマリーベルとエクリシアの3人の姫騎士と、俺とアスナとミューレが力を尽くしさえすれば、ライトニング・ブリッツには最高の栄誉が待っているはずだ。
俺たちの戦いはまだまだ続く――!
~ゴッド・オブ・ブレイビア~ 姫騎士デュエル・アナリストの俺、男だからとランク2位のチームを追放され、訳あり美少女ばかりの新チームに拾われる。「開幕戦は3日後だ。よろしく頼むよ」「……OK」
(第一部、完)
―――――――――――――――
温かい応援ありがとうございました!
今作はここでいったんここで終了となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
設定とかキャラとか、カクヨムコン9用にかなり気合を入れて用意したんですが、残念ながらあまり伸びませんでした。
無念(´;ω;`)ブワッ
ですが個人的には、今持ってる力を出し切って上手に書けたつもりです✨\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/✨
それではまた別の作品でお会いしましょう!
Catch you later !
(最近覚えたオサレ英語。意味「またね!」)
~ゴッド・オブ・ブレイビア~ 姫騎士デュエル・アナリストの俺、男だからとランク2位のチームを追放され、訳あり美少女ばかりの新チームに拾われる。「開幕戦は3日後だ。よろしく頼むよ」「……OK」 マナシロカナタ✨2巻発売✨子犬を助けた~ @kanatan37
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