バースデイボーイ

@rei_equal_0

バースデイボーイ

バースデイボーイに贈るプレゼント今年は箱根の温泉旅行


Googleで箱根の天気をしらべつついちばんたのしい旅行前日


相当に私を好きだパンツまで我のリクエストを聞く君は


Tシャツの男は横でもくもくとかき揚げ天をかき分けてゆく


「お水をさ口からこぼすのわかるでしょ?ときどき口の位置忘れるの」


五月雨の只中なれど我が性質(たち)は晴れ女にて今日は晴天


痔になりて君は薬をぬりたくりなんとか歩くのろま足にて


新宿の交通整理の笛の音を今年の夏のはじまりとする


まっすぐに続く線路が見えるようロマンスカーの先頭に座す


ふわふわのクリームパンの外側のような小鼻の丸みを愛す


見る人は登山電車の客ばかり山の間の紫陽の花


チョコレートケーキの上の25が溶けてあなたは15になった


憧れのウルトラマンからメールだよ君の生まれた6月6日


「もし私が100歳で死に、君だけが1万年を生きるとしたら?」


「それならば黎ちゃんを空の星にして、1万年間その星に住む」


バースデイボーイの君の充電は切れて私の肩にもたれる


愛情の重さを海の圧として鱗ができる手の甲の皮膚


青春にタイムマシンは要らないの 出たとこ勝負であなたと生きる


お土産に買った温泉饅頭を配り終えたら旅行が終わる


予想外 これをスパイスに変えるなら何歳だって青春である

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