ゴミ部屋に暮らす

ゴミ部屋に暮らす

パーカーと段ボールとデニムの山から今日の靴下を探す

今はもう見ることのないチューハイの空き缶と共に暮らしてる

真っ白にホコリが積もる台の上ルーター光るLED

透明なケースの中で畳まれたTシャツの多すぎるシワ

同じ洗剤のゴミがあふれるゴミ箱から目をそらし続ける

焦げ臭いにおいがするドライヤーをまだ使ってる問題はない

たまにたまにだけしてるトイレ掃除　意味を成さない芳香剤

しわだらけの布団とシーツと枕　数本見える何かしらの毛

使えない乾電池だけが集まる一角がある　すでに満室

三日目のタオルで顔を拭くのだけはほんの少し抵抗がある

洗面台のライトが使えなくなり一年間顔を忘れた

百円ショップで買ったモップが恨めしそうにホコリをにらむ

一度だけ着た白いワイシャツ首まわりの黄ばみまだ目立たない

うすしおとコンソメとのり塩とサワークリームオニオンの抜け殻

ビールチューハイチューハイエナドリ缶コーヒー水水水

人生のパートナーであるスマホを置く場所だけは綺麗にする

歩くたび砂を踏んでる音がする畳になって何年だろう

ひとつだけ持っているバッグの紐が切れるのは今日ではないはず

コンビニの袋から出す本日のディナーと新しいゴミクズ

孤独死は怖くないけどこの部屋を見られることは恥ずかしいこと