どこか鬱々とした曇り空のような、穏やかでない静かな世界。
見知らぬ道端で座り込んでいることに気付く、一人の娘メアリーアン。
何故ここに、こうしているのかすら分からない彼女は、持っていた列車の切符の半券と、書きかけの便箋を見つける。イゼルキュロス宛ての文面を見つめながら、彼女は記憶の断片を拾い上げていく……。
上質なSF小説です。
とても雰囲気のあるお話で、メアリーアンの記憶障害の謎、それを助けてくれる不思議なアシュレーの存在が、一気に物語の中へ惹き込んでくれます。
文章力も高くて読みやすく、この世界を見事に創り上げられています。
メアリーアンとアシュレーの関わり合いが、私にはとても魅力的でした。
予想外の展開もあり、この後どうなるのだろう? という余韻も充分。
お薦めします(^^)!