君が飲んでいるジュースに毒が入っていますように
白川津 中々
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彼女が飲んでいるジュースに毒が入っていたら、僕はきっと、彼女が倒れた後に穢すだろう。
だから僕は彼女の飲んでいるジュースに毒が入っている事を願った。細工をしたわけじゃない。神頼みだ。僕は偶発的に彼女の飲んでいるジュースに毒が入っている事を期待しているのだ。
分かっている。とんだ不条理、ナンセンス。自分でも見事に落ち果てたものだと呆れる。けれど彼女の味を知るには奇跡にすがるしかない。絡み合う肉を、分泌される粘膜を、吹きかかる吐息を得るためには、彼女のジュースに毒が入っている事を願う以外にないのだ。
あぁ、倒れてくれ。突然がくりと膝をつき、僕の前で横たわってくれ。そしたら僕は、君が纏っている衣服を取り除き、下着もはいで、五感いっぱいで君を受け入れるんだから。味も臭いも感触も、心臓の鼓動も姿も全部、全部僕が奪ってしまって、僕のものにしてやるんだ。
だから、君の飲んでいるジュースに毒が入っていますように。
どうか、君の飲んでいるジュースに毒が入っていますように。
君が飲んでいるジュースに毒が入っていますように 白川津 中々 @taka1212384
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