問わず語らず
鳥尾巻
追いつ追われつ恋のうた
花霞 ひとひらの夢 舞い降りて 目に鮮やかな 色に戸惑う
何気なく 異口同音に 笑い合う 日々の
友達と 呼ぶには少し 近すぎて いまだ名付かぬ そのかたちとは
気まぐれを 季節や花の せいにして のらりくらりと
たまゆらの 震えでさえも 見逃さず 今か今かと 次の文字待つ
掛けと引き 四則計算 苦手なの ただ足すばかり 割れぬ想いを
夢うつつ 寝ても覚めても 追いかける 隠しきれない 瞳の軌跡
背を合わせ 伝う温もり
約束の 言葉もなくて 絡み合う 小指の重さ 針千本
ため息の 行方は知れず 宵の闇 溶けて流れる
あかねさす 紫紺の空に うつむいて 帰らないでと 君が袖引く
言の葉は 役に立たぬと 君が言う 眼差しのみで 熱に浮かされ
甘さなど
ぬばたまの 夜にまぎれて 手繰り寄せ 熱を分け合い 夢に溺れる
はじまりを 覚えているかと 問われれば もう忘れたと 声は
巡りくる 花の霞の 佇まい 目にも
問わず語らず 鳥尾巻 @toriokan
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