忌まわしい闇をちょっぴりと、端的に切り取り並べた悪夢の小部屋

情景と心を詠むのが短歌なら、これはみごとな歌集だと言えるでしょう。
三十一文字がちらりと垣間見せてくれる、その暗澹たる背景と心理。
覗くだけで踏みとどまるべきか、小窓のむこうの全貌を目にしたいと望むべきか……。