眠れない夜に
白川津 中々
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眠れない夜に名前を付けようと試みてみたものの眠れない時間が過ぎていくばかりで、疲れ果て、横たわる。
深夜2時。遅すぎる夜。寝るにしたって間抜けているし、起きているには長すぎる。さっさと布団に包まって、無理矢理にでも目を瞑って、頭の中で雨に唄えばでも流していればよかったのに、なにをするでもなく、ベッドの上から天井を眺めて、寝返りをうって机を眺めて。それで、眠れない夜を何と表現しようかなんて、できそこないの詩人みたいな事を考えて、結局、なにもなく、朝に近づくだけの、無意味な今。日が昇るまでの間に眠れなければ、今日はずっと起きている他ない。朝までの間、何をしよう。何を、しよう。
眠れない夜に手持ち無沙汰。起き上がって何やら始める気力もなければ、寝てしまう決断もできない。名もない時間が、過ぎてゆく。俺は今日も死に向かって、何もない時間を過ごしている。
眠れない夜に 白川津 中々 @taka1212384
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