むすうのいろ
@okuyuku
第1話
ある言葉を聞いた時、人それぞれ違うイメージを持つと思う。
「りんご」という言葉と聞いた時、人によっては甘い、人によっては赤い、人によってはかゆい。
でもそれは時々で変わるもので、子供の時と大人になってからでは大きく変わることもあると思う。
僕にとって「ガレージ」と聞いて子供の時だったら「楽しい」と思った。
大人になって「ガレージ」と聞いたら「哀しい」と思う。
・・・
小さい頃はゲームをするのも好きだけど、外で遊ぶのも好きだったからどんな子とでも遊んでいた。
土日になれば朝からクラスの電話帳を片手に電話をかけまくって、一緒に遊んでくれる子を探していた。
遊べる子を見つけるまで電話をしていたので暇になる土日はなかったと思う。
その中でも2人の幼なじみとよく遊んでいた。
小路くんはお金持ちの子で、大きなおうちに庭もあって犬もいて車もある。
勉強もできてスポーツもできるような彼に勝ったことがあるのは、ゲームでぼこぼこにして泣かせたときだけだ。
大人になった今はほとんど連絡をとることはないが、大企業に入社してきれいな奥さんとお子さんと幸せに暮らしているようで、明らかに勝ち組だなと思う。
僕はというと・・・まあ悲しくなるからやめておこう。。
もう一人の幼馴染だった葉くんは、これまた賢い子で。
塾に行ったこともないのに自力で勉強して地元の進学校に入るような頭のいい子だった。
中学の時は部活も同じだったのでよく一緒にいたが、彼は部長でみんなをまとめるような人でもあった。
大人になって警察関係に就職して、彼らしく努力家だったこともあり、一般とはかけ離れた業務についていたようだ。
今はもう会うことはできないが人として尊敬できる人だった。
子ども時のガレージといえば、彼らと小路くんの家でかくれんぼや鬼ごっこをしていた時によくガレージに隠れていたものだ。
続
むすうのいろ @okuyuku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。むすうのいろの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
病気だからって/久石あまね
★11 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
わたしをかたどる/玉三
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 2話
凡生尽語/樵丘 夜音
★5 エッセイ・ノンフィクション 連載中 38話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます