第7話 さよなら、スノゥくん

あぁ、よく考えてみるべきだった。

スノゥくんは赤いマフラーをしてた。

スーくんだって赤いマフラーをしてたのに、

気づかないなんてわたしのバカ!


「ありがとうスノゥくん

未来を治してくれて。」


わたしは微笑んだ。

スノゥくんは「雪の精はなんでもできるんだよ」

と胸を張った。

「ふふふ」

そのとき、スノゥくんの頬を汗が伝い、溢れ落ちた。


汗の量はどんどん増えていく。


あ!

スノゥくんは雪だるまだから

溶けちゃうよ!

「スノゥくん!あっち行こ!このままじゃ

溶けちゃうよ!」

走り出そうとしたわたしの腕をスノゥくんが掴んだ。

顔が歪んできている。

「いいんだ」

「でも!このままじゃ!」

「六花、僕は雪の精だ。体が溶けたって

僕が死ぬわけじゃない。

ふわふわ漂って次の体を見つけるよ」

にっこり笑うスノゥくんに悲しくなった。

「嫌だよ。行かないでよ」

未来とスノゥくんと遊んだ

懐かしい思い出。

スノゥくんも思い出も消えちゃいそうで

怖かった。

スノゥくんがガクリと崩れ落ちた。


「六花、僕のこと忘れないでね」


「忘れるわけないよ!ずっと忘れないよ!」


スノゥくんが溶けかけの雪みたいに崩れていく。


ありがとう

スノゥくん。

わたしたちを救ってくれて。

ずっと、ずっと忘れないからね。


「さよなら、スノゥくん」


わたしはほぼ液体になってしまった

スノゥくんに笑いかけた。


そうだ、また冬になったら

雪だるまを作ろう。

そうすれば

スノゥくんにまた会える。


ねぇ、そうでしょ、スノゥくん?




〈終わり〉

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雪だるまのスノゥくん 藤川みはな @0001117_87205

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