僕がこの物語を読んで最初に感じた事は、秀逸なアイデアへの驚きでした。
この物語はボーイ・ミーツ・ガールです。人が恋に落ちる瞬間を見事に切り取られております。これは中学生の二人のそんな恋の物語。書いてるだけで甘酸っぱいです。
では、思春期の恋というモノがなぜ甘酸っぱいのか、その理由を少しだけ考えてみると、答えは明白で、「まだ恋を知らない二人が出会う」からです。
恋とは多少の語弊はありますが、知る程に深みにはまるものです。様々な経験からより求めるモノや与えるモノが変化し、トキメキの純度も変わって来ます。しかし、若い二人はそんな恋の深みを知らず、ただ純粋な気持ちのままに、相手を知り、そして知ろうとするのです。
この物語はそんな二人が、恋に出会う物語。
二人が心を通わせる場面で、情景描写が差し込まれております。その瞬間の美しい情景と感情、それらの感覚が空気を震わせ、まるで直接お互いの心にそっと触れ合う様に、きらきらした恋が生まれます。なんて素敵な瞬間を書かれるのかと、僕の心は震えました。
タイトルの「きら、きら」。二つの音が重なり一つの意味になる言葉。まるでこの二人の事を言っている様だと僕は感じました。
お勧め致します。
若い二人が恋に出会う物語、とても大切に愛おしく読まれて見ては如何でしょうか。
皆様、宜しくお願い致します。