一人称で綴られる主人公二人のモノローグに胸が締め付けられます

とある事情を抱えながら生きてきた高校生のあきは、駅のホームで見かける女の子、こんのさんに恋をしました。
その想いを、こんのさんについての描写を通してあきから吐露されていきますが、そこまで?とツッコミたくなってしまうほど詳細です。

これは人によると思いますが、第一章前編のあきの理性的ではなくなってしまう発想は、私にとって共感出来るものではありませんでした。
ただ読み進めると、それなら当然だと受け入れることが出来ます。なので初めに触れましたこんのさんの詳細な描写も、あきならではの着眼点なのです。
もちろんその理由は、ぜひ読んで確かめてみてください。

次にこんのさん。
こんのさんは自分の外見を卑下しているところがありますが、中身はとても可愛らしい子です。
あ。中身は、ではないですね。まだ自分では認められないと思いますが、こんのさんは外見も美しい子です。あきが教えてくれていました。

そんな二人ですが、あることがきっかけで顔見知りの関係になります。
ですがそこで、抱えている事情があきを阻むのです。想いに待ったをかけるあきに、こんのさんはこんのさんで思い悩みます。

タイトルに書かせてもらった通り、一人称で綴られる「あき」と「こんのさん」のモノローグには胸が締め付けられますが、それは作家様が丁寧に書かれているからこそ。
抱える事情からくる恋心なのか、こんのさんはコンプレックスを乗り越えるのか、この先の展開をぜひ読んで追い掛けてみてください。

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