第13話 叶うかどうかなんて

「叶うかどうかなんて、分からないんだ。」


「だけど、こんな願いを聴いてほしい。」

「また、この場所で会いたいんだ。」


「お願い。」

「……いいよ」


「私が先に、大人になってしまうから。」


「この約束が、思い出せなくたっていいの。」

「だから、貴方の未来で待ってるから。」


「貴方の未来が今になるまで、待ってるから。」


綺麗に笑ってくれたその笑顔は、

大人みたいな笑い方だった。


だから、だからもう、

私の声が届かなくなるんだなと思う。


約束は誰にも秘密のままって言ったのは貴方のほうなのに、


どうして、どうしてあんなことしてしまったの?

でもね、君がまだ何処かで生きているって思うだけで、


まだ走り抜けることができる気がする。

例え選択に間違っても、失っても、

貴方に会えることを、祈り続けている。



夢かもしれないけれど、

夢なのに、本当に体験したような、


そんな不思議な感じが、

またちょっと怖くて、興味深かった。


誰にも助けてもらえない。


そんなことは絶対になくて、

必ず、誰かに助けてもらえる日が来るんだと、

そう、信じている。


信じ続けて、今、結果が出ている。


私たちは会えた。

会えなかったけど、会えた。


だから、自分自身を、

もっと信じてみてもいい。


信頼してみてもいい。

だから、もう一歩だけ、


あともう一歩だけでいいから、

踏み出してみたい。


また、なにか変わるかもしれない。

変わらなくても、

それはまた、積み重なるものだから、


大切に保管して、

誰にも盗まれないように、


今日も、またあの人たちに会えることを、


夢見ている。

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