歴史探偵団

@Amemusi-hikari

報告書No.--

 過去を生きた者には未来を生きる権能はない。なぜならば、その人物の時はその瞬間に止まったからである。生まれて、現実を生き、苦痛も幸福も味わった後にかかる、「死」という南京錠。それでも、鍵はどこにも有りはせず、もしもあるとするならば、天に昇って下界を見下ろす神様ぐらいだろう。だからこそ、「死」を解禁してはいけないのだ。墓を掘り起こしてはいけない様に、死人を呼び戻してはいけないのだ。それは当然の理屈であり、自然界の鉄則である。それを覆したのが一冊の古書、

通称コードネーム「死人起こしの鍵」なのだ。

 その扉は、その本は、開いてはいけなかったのだ。


本報告書も含め「死人起こしの鍵」に関連する報告書は全て最重要機密レベルに設定し、他人に口外しないこと。また、閲覧権限も支局長のみに制限する。

              執筆ー       ー。

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