第4話
言っちゃなんだがこの世に未練などなかったはずなのだが、、、。
どうやら、のこのこと生き返った以上、俺はまだ、求められているようだ。
今現在、生きてる世界が生前なのかはたまた死後なのか分からないがこれからは、
"人の為に生きるのではなく自分の為に"
生きていこうと思う。
人の視線を気にしたり、人の心を想いやって生きていくなんてやめだ。
同じ結末なんて辿るなんてへまなんて二度としない。
今となっては生前の頃の自分の生き方が馬鹿馬鹿しくて仕方がなかった。
結局俺もあいつらと同じなんだろうか?
いいや、、、違う。
ブンブンと首を振り、否定はするが、疑問がまた、疑問を追う形となる。
それより何故、俺はここにいるのだろうか?
さっきいたあいつは何者なのか?
いや、そんな事は考えるは無しだ。
所詮、今の俺には何も分からないだろう。
今はやるべき事だけ考えよう。
あの男が意図的に置いていったであろう、サングラスをかけてパーカーを羽織って俺は、ゆっくりと人に見つからないよう建物から出た。
当たり前だが、俺がいなくなっても世の中は何事もなかったのかのように回り続ける。
昼休憩中によく利用していた駄菓子屋や、いじめられる前、放課後に友達とほぼ毎日通っていたゲームセンターなど、最近なはずなのに懐かしい気持ちなってしまう。
何なんだろうな......この胸から溢れでる懐かしい気持ち。
俺は、この居場所で何を求めていたのだろうか?
あの時感じていたものが一体、何なのか忘れてしまっていた。
しかし、人の一生っていうのはこういうものなのかもしれない。
これから俺が行う事は、それを壊す行為だ。
とても、褒められる行為ではない。
だが、後戻りなんてしたくても今の俺には戻る道なんて残されてはいない。
俺はある目的の物をとるために徒歩で自分が生前の頃に住んでいた家を目指して歩いていた。
(ちっ...)
修也は違和感に気付いて舌打ちをする。
俺の家の隣で幼馴染だった花梨がスズメバチみたいな連中と仲良く談笑をしていた。
見る限り相変わらず、何も変わらない毎日を送ってるみたいだ。
あいつの本性に少しでもはやく気付けておけば、、、。
だが、今は関わるべきではない。
誰も俺が存在していないと思っているこのアドバンテージを何としても生かさなければならない。
あり得ない事象については誰も疑わない。
だが、それが実際、証拠として出て証明してしまったらそれで終わりだ。
殴りたい衝動をぐっと堪えて裏口の方へと回り引き戸をゆっくりと開け中へ入った。
ここからの動きが吉とでるか凶とでるか。
絶望した俺は遂にメッキを剥がす @oraganbaru
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