丑三つ時

深夜 誰もが眠る丑三つ時

「この情報を持って帰れば!」

「この国は変われる!」

男は走る沢山の護衛や同じ志しの同士を

引き連れて人数をこれでもかと集めた

100単位の人数が居るんだ深夜の護衛兵程度

朝飯前だ。

この国家機密情報を隣国の大和に売り渡せば…

俺達の世界は180度変わるんだ!

パパラチア「ご機嫌よう皆様。」

「?!」

(馬鹿な!?兵士達の警備ルートはすでに)

(把握済み。それになんだ女か?)

(ただ話しかけに来ただけ…)

(ならば一般人を演じなければ)

「こ、こんばんはお嬢さん。」

(漆黒の長いまるでかぐや姫の様な美しき黒髪)

(それでもなお長い髪をサイドに結っている。)

(それに…綺麗に整った容姿に引き締まった体)

(全てをとってもどこを切り撮っても綺麗だ。)

(見つめた桃色の瞳に恋をしそうに)

(なるほどに。)

パパラチア「…嘘つきは、嫌いですわ。」

次の瞬間だった隣りにいた優秀な部下の頭が

破裂したのは全てがスローモーションに見えた。

女はその作られたかのような美しい顔で

笑っている嫌でも血の匂いと飛び散った

生暖かい血液と痙攣して二度と動かなくなった

部下の体が現実だと思い知らせてくる。

(嘘だ、だって昨日あんなに元気に帰ったら)

(何しようかなんて話しを、し…て。)

空を見たそれは、まるで流星群の様に降り注ぐ

翡翠色の光の雨、煌めいて美しい光。

矢の流星群が私達の頭上に降り注いだ。

ペリドット「アーちゃんどんくらい」

「当たった〜?」

アクア「うっわー全弾命中した。」

ペリドット「初弾は〜?」

アクア「脳天ど真ん中。」

ペリドット「へぇ~今日は調子良いかも〜。」

アクア「んじゃ!俺も行ってくる!」

アクアは双眼鏡をペリドットに投げて現場に

向かったペリドットの居る位置は

パパラチアの方向から見て九時の方向

30メートル先3階建ての石造りの高台から

狙撃していた。

ペリドット「わぁ~もう着いた流石ア〜ちゃん」

「早いな〜まいっかぁ、チマチマ撃ってよ〜。」

ー数分後ー

「頼む…助けて…助けて」

気づけば百の集団は彼一人だけに

なっていましたわ。

パパラチア「ええ、『情報を吐くまでは』」

 「保護しますわ。」

縋り付くゴミを払い除ける。

アクア「えぇ~ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ」

「俺が100人姉上が100人ペリが100人」

パパラチア「あら。」

ペリドット「あらぁ~引き分けってこと?」

アクア「じゃあ今回は割り勘なー。」

パパラチア「ええ、そうですわね。」

ペリドット「なにら頼もうかな〜。」

アクア「俺、焼き鳥の塩がいい!」

ペリドット「ならアタシ塩のひな〜。」

パパラチア「ワタクシは、タレ一択ですわね!」

ワタクシ達は慣れた手付きで死体を処理しながら

帰りにお酒のツマミに何を頼むかの

話しをしましたわ。

三百人ともなると処理も一苦労ですわ!

処理はとっても簡単ワタクシ達のトップである

ヒノカ様宛に骨、肉、髪に分けた死体をそれぞれ

袋に包んで札を貼ったら自動でヒノカ様のもとに

持っていってくれますわ。

パパラチア「ふぅー、これでラスト」

「片付きましたわ〜さてそこ貴方?」

「ひ、ひぃ!近づくなバケモノ!!」

パパラチア「…バケモノとは人聞きが」

「悪いですわねワタクシの事は良いですわよ?」

「でも、妹達を卑下するなら…貴方のお友達を」

「もう一度お見せしましょうか?」

そう言ってさっき分類した袋に手を突っ込んで

骨の所から『お友達』の頭蓋骨を

出そうとしましたわ

「いい!やめ、やめてくれ…お願い…」

「お願いしますもう、やめてください…」

「やめてくれ嫌だ何も、もう、何も」

「見たくない。」

男は、うじうじと泣きじゃくって血溜まりの上で服が汚れることもいとわずに地べたで

うずくまる。

そうなるなら最初からこんな馬鹿げた謀反など

しなければ良いのに馬鹿な人間。

人が複数人集まったところで何が出来ると

言うの?

所詮は何もできずに弱い人間は、そこでおしまい

何もなせずに何にもなれずに果てるのに夢とか

希望とかいう幻を追い求めてしまう。

実に…愚かしいですわね。

パパラチア「なら貴方に救いを与えて」

「あげますわ。」

「え?」

パパラチア「お友達の所に送って」

「差し上げます。」

「だから…貴方達の逃走をお手伝いした」

「お仲間さんを売ってくださいまし♪」

「そ、それは!だめだ!だって手伝ってくれた」

「仲間を売るなど…、!」

アクア「仲間を同胞を殺したくせして」

「良くもまぁそんな口が聞けるもんだな。」

「さっさと吐いて死ねばいいのに。」

軽蔑の視線を送るアクア

ワタクシもアクアに同意ですわ。

ペリドット「ねぇ~もう焼き鳥食べたいから」

「早くしてくれな〜い?」

「それか〜吐きたくなるように〜」

「『お手伝い』してあげようか?」

ペリドットは、弓を引いて腕に矢を突きつける。

「……、…!わかっ…た話す!話すがらぁ!」

「殺して…お願い…します、もう、楽に…」

「して…。」

パパラチア「そこはお任せあれ。」

「一瞬で天にでも地獄にでも送って」

「差し上げますわ」

アクア「おっし、文書も仲間も芋づる式で」

「分かるし今日は上がりで良いだろ。」

ペリドット「だねぇ~はぁ~疲れた〜。」

アクア「はぁ。こんなんじゃ肩慣らしにも」

「ならねぇよ…。」

パパラチア「まぁまぁ良いじゃないですの。」

「楽に片付くなら万々歳ですわ。」

アクア「姉上は、好敵手とか欲しくないのか?」

「俺は、腕試しが出来る相手が」

「欲しいんだけどな。」

ペリドット「アーちゃんにはシトリが」

「居るでしょー」

アクア「シトリばっか相手にしてたら」

「怪我するかもしれないだろ」

パパラチア「そうですわねシトリもアクアにも」

「怪我してほしくないですわうーん。」

「今度強そうなのが来たらヒノカ様に回して」

「貰いましょうか。」

アクア「お、ナイスだ姉上!」

ペリドット「それよりもパーちゃん」

「ルーちゃんやシーちゃん達にお土産も」

「買っていってあげよー。」

パパラチア「ですわね、何にしましょうか。」

ペリドット「んーモフモフのぬいぐるみとか?」

パパラチア「それは、ペリが欲しい物」

 「ですわね(笑)」

ペリドット「あ~確かにぃ。」

「ん〜、チャロチャロには、紅茶の茶葉でぇ。」

「ルーちゃんには洋墨シーちゃんにはぁ~」

アクア「シトリならレモンキャンディーだろ。」

ペリドット「あ~ガラス瓶に黄色のリボンの?」

アクア「見た目覚えてないけど多分それ。」

パパラチア「なら後で買いに行きましょうか。」

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短編集 花園 あんず @hamazonoaoi

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