フレンチトースト

崩れ行く洞窟に同族達の死体が所狭しと

積まれている今にも崩落する洞窟の中で見たのは

『兄の悪辣な笑み』

ペリドット「起きてもうパーちゃん起きなよ?」

パパラチア「んぅ?なん…ですの?」

ずいっと身を乗り出して

覆いかぶさる様にワタクシの上にペリドットは

乗りかかってワタクシの頬を突きましたの。

ペリドット「ほ~らもうご飯出来たって〜。」

「あたしもうお腹空いちゃったし〜」

「シトリなんてグーグー鳴ってたよ?」

この子は、次女のペリドットワタクシの次に

産まれた子で風属性の魔晶石ペリドットや緑系統の宝石から産まれた宝石族。

優しいタレ目の翡翠の瞳に白い陶器のように

なめらかな肌スタイル抜群な上にワタクシに似て

超絶美人煌めくブロンドのフワフワした髪も

素敵ですわね。

性格は、ご覧の通りおっとりした

お姉さんですわ。けどワタクシにだけは

甘えてくれるところが可愛いんですのよね。

パパラチア「んー後もう少しだけ〜。」

ペリドット「む、確かにあたしもひと眠り」

     「したいかもなぁ〜。」

パパラチア「なら二度寝しちゃいましょ。」

ペリドット「ふふ、だねぇ~。」

そうこうして5分後

ルビー「…バカ姉二人今すぐ着替えて」

「降りてこなかったらもうハニートースト」

「ないから…。」

そう言って今度は別の姉妹が

お起こしに来ましたの。

この物静かに怒って炎魔法で

燃やそうとしているのが4女のルビーですわ。

ルビーからなる炎属性の魔晶石からなる宝石族で

紅玉の様な大きな瞳に

金色に煌めく三つ編みお下げ

ジト目で睨むも148センチくらいですもの

上目遣いになるから可愛いとしか思えませんわ。

ルビーは、常に本を読んでいる読書家で

勤勉家ですわ下の子のシトリとチャロアイトの

面倒をダメダメな上の姉3人に変わって良く見てくれていますわ。

ワタクシルビーの反抗期が来ていて

悲しいですわ…。

パパラチア「わ、分かりましたわ~。」

ルビー「ハァ…ペリ姉の事ちゃんと」

「起こしてきてね。」

そう言ってルビーは階段を降りてゆきましたわ。

パパラチア「…ペリちゃん」

「起きてましたわよね?」

ペリドットは、ギクッと肩を揺らしましたわ。

やっぱり起きてましたの。

着替えて1階の共有スペースであるリビングに

向かいました。

リビングは、中華風の敷物やアジアンテイストの

家具で統一されていますわ。

けど…何故か良く分からない

調度品やら、仏像やら山積みになった本やら

壁に立てかけてある武器等など姉妹それぞれの

物も所々置いてありますわね。

恐らく…調度品や分からない物はシトリ

本は、ルビー、茶器類は、チャロアイト

武器は、アクアマリン

寝具は、ペリドットですわね。

フフン、流石ワタクシ!姉妹の事は何でも

完全把握済みですわ!

シトリ「あー!パーお姉ちゃんきたー!」

この子は、シトリ

土属性からなるシトリンの宝石から

産まれた宝石族

金色のフワッフワのクルクルの短髪に檸檬色の

パッチリおめめが最高にキュートな子ですわ。

5女という事もありルビーと一緒に

チャロアイトの面倒をよく見て(振り回して?)いますわね。

天真爛漫で人を笑顔にするのが上手な子ですわ。

シトリ「おはよーパー姉ちゃん。」

パパラチア「ええ、おはようございますわ」

 「シトリ。」

無邪気に駆け寄り抱き着くシトリの

フワフワな頭を撫でてあげるとシトリは

「えへへ」と笑ってくれますの。

アクア「姉上やっと起きたかルビーが」

  「鬼の形相で2階に行ったから爆発されて」

   「来るかと思ってたぞ(笑)」

そう子供っぽく笑ったこの子は、アクアマリン

ワタクシ達はアクアと呼んでいますわ。

水属性の魔晶石からなる宝石族の子で

姉妹の中では3女にあたりますわね。

流れるような美しい青のポニーテールに

スレンダーで鍛え上げられた足、腹筋は、

彼女の努力の賜物ですわね。

凛とした湖の様な澄んだ青の瞳は

真っ直ぐな彼女を表しているかのようですわ。

シトリと常に武芸の稽古をしていて暇だとすぐに体を動かしていますわね。

明るく元気でさばさばしていて物事をハッキリと

見定められる強かさも持ち合わせていますわ。

アクア「姉上は、トーストに何かける?」

パパラチア「今残ってるのはなんですの?」

アクア「ちょっと待ってな…」

「今残ってるのは、ラズベリー、メープル」

「だけだな。」

パパラチア「レモンジャムは、シトリが全部」

「貰いますものねアクアはブルーベリージャム」

「全部食べましたわね?」

アクア「ゲッ!やっぱ姉上には、バレるか。」

苦笑しながらアクアは頭をかく。

アクア「けど、姉上だって」

   「いつもラズベリーだろ?」

「それはちゃんと残しておいたから」

「許してよ。」

パパラチア「まぁ、確かになら、ラズベリー」

「をくださいまし。」

アクア「あいよ。チャロ、ラズベリーだって。」

チャロアイト「分かりましたわ、姉様。」

アクアの後ろでフレンチトーストを焼いている

この子はチャロアイト闇属性の魔晶石からなる

宝石族の子でワタクシ達姉妹の

可愛い末っ子ですわ。

落ち着いていて上品と礼節を重んじる子で

ワタクシ達姉妹にも常に敬語を使いますわ。

敬語の方が喋りやすいと本人が言っていたので

治したりとかは、致しませんわ。

紫がかった白髪のストレートロングの髪に

深い紫の瞳、神秘的な美しさがあって近寄り

づらい雰囲気がありますけど喋ると

天然でおっとりしていますのよ。

チャロは、アクアの事をとても

慕っていますわね。

凛々しく正しく物事を見ているアクアに

憧れているようですわ。

後、チャロ、シトリ、ルビーの三人は

いつも仲良くしていますわね仲睦まじくて

いつまでも見守れますわ。

チャロがお皿にウサギの形のフレンチトーストに

ラズベリージャムを乗せて渡してくれましたの。

香ばしいバターとトーストの甘い香りがして

幸せでしたわ。

パパラチア「頂きまーすですわ。」

チャロアイト「お、お味はどうですか姉様?」

パパラチア「とっても美味しいですわ!」

「流石ワタクシの妹!」

思わずギュッと抱き締めるとチャロちゃんは、

驚きつつもとても嬉しそうでしたわ。

ルビー「む…パー、チャロから離れて」

「困ってるでしょ。」

シトリ「ルーはチャロが取られないか」

「心配なんだよねー!」

ルビー「!…シトリ黙ってて…。」

アクア「ところで…姉上少しペリも」

アクアの顔を見てすぐに察しましたわ。

今日もまた面倒な仕事のお話しですわ。

チャロアイト「…お仕事…ですか?」

不安そうにワタクシを見つめる末妹

パパラチア「違いますわよ、大丈夫。」

「そうだ!チャロちゃんシトリとルーと一緒に」

「市街地にジャムの補充をお願いしますわ。」

「お釣りは、お昼ごはんでも食べてきて」

「良いですわよ。」

ワタクシは、有無を言わさず足早に

チャロちゃんにお金を渡してそそくさと

アクア達の方に戻りましたわ

パパラチア「…で?また羽虫が湧きましたの?」

ペリドット「はぁ~面倒くさーい。」

アクア「それね、俺も出来るだけ」

「やりたくないんだけどね普通にダルいしな。」

「姉上が言うように神華に羽虫が湧いた。」

ペリドット「姫ちゃんはなんてぇ?」

アクア「聞くなよペリ。」

ペリドット「生かして返すな~とか?」

アクア「そういう事それ以外俺達に」

   「命じた事無くないか?」

ペリドット「あー確かにねぇ。」

パパラチア「まぁー終わったら3人で」

「お酒でも飲みに行きましょうか。」

アクア「お!良いなそれ!」

「一番狩った数が少ない奴が奢りな!」

アクアは、机から乗り出してペリとワタクシに

ゲームをしようと誘ってきましたわ。

ペリドット「えぇ~アタシ不利じゃない?」

アクア「あーそれなら初手はペリにやるからさ」

「な?これならいいだろ?」

ペリドット「ん、もう一声かなぁ〜。」

アクア「えぇ、流石に好条件過ぎないか?」

ペリドット「じゃあやらないよぉ〜良いのぉ?」

アクア「…あー分かった!ペリだけ」

「全体攻撃有りで良いよ。」

ペリドット「やった〜♪」

アクア「くっ…なんか初手で」

「してやられた気がする」

パパラチア(気がするじゃなくて今正しく)

(不利な条件を飲まされたのですわよアクア。)

正直アクアは、たまに真っ直ぐ過ぎて

心配になりますわね。

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