報酬

勝った…相手をだます形にはなったが

3勝するまでゲームは終わらないんだ本当にどうせならお互いの利益になるように

終わらせた方が良いと思ったし次のゲームで伝えれば別にいいだろう。


画面の向こうの女性

「おめでとうございます!あなたが勝利いたしましたので報酬を授与させて頂きます。 ご希望のお願いをお伺いしてもよろしいでしょうか」


1回は勝って得をしようとは思っていたが具体的に叶えたい願いもないんだよなぁ

これといって叶えたい夢もないしどうしようかな

「あ、そうだ!」


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気が付くといつも通っている帰り道に帰っていた。

どうやったのかは一切覚えていないが一時的ではあるが解放されたようだ

なぜ解放されたのかはわからない

営側のいつでも誘拐はできるんだぞというメッセージなのか

それとも事件性を少しでも軽減するための対策なのか

どっちみちこんな話を誰かにしても信じてもらえるわけがない

獲得した報酬を確認するためにもまずは家に向かって歩くことにした


家にかえり自分の部屋に行く

一つ確認しなければならないことがある

それはゲームの勝利報酬だ

僕が報酬として依頼したものそれは


「僕のSNSアカウントのフォロワーを10万人にすること」


明らかに難しいと思った他人をコントロールするのは誘拐を実現する運営といえどできないことだと思った。

増えていればラッキーだしもしできなかった時が面白い


願いを叶えると豪語しながらそれが出来ないのだその時は

僕の対戦相手に伝えてゲームをクリアすれば

完全勝利というわけだ。


期待に胸を膨らませながら僕はスマホをチェックした。

「まじか…」


増えてる10万人

たださすがにBotとかそのたぐいのものだろう昨日まで10人そこらの

友達しか見ていないようなアカウントだったからだ

試しに何か書き込んでみよう


しばらくすると今まで見たことが無いほど反応がある。

挨拶程度の文章でもいままでの100倍の反応があると

さすがにbotだったとしても信用したくなる

帰ってくるコメントも人の文章っぽいのがまた良い。

運営に勝利できなかったのは残念だけど

これは良いものを手に入れたぞ


僕はその後寝るまで手に入れた報酬に時間を忘れるほど夢中になっていた。



3日後、2回目のゲーム開始の連絡が来た


SNSのアカウントにメッセージがきてた

フォロワーが増えすぎてDMは閉じていたんだけど


どうやってかいくぐって来たんだろうか

まあ今度こそ次のゲームでも運営に無理を吹っかけて勝利するとしますか。


次のゲーム会場に向かっている途中

突然うしろから前にかけて腹部に冷たい痛みが走った。

「え”」


なんの前触れもなく起きた痛みにおもわず膝をついた


痛みが走ってきた方向に向かって振り返った。

そこには顔も知らない人間が立っていた

そして目の前の僕に興味を持っているそぶりもなく

その人間は電話をしていた。


知らない人間「ほんとにこいつを刺せば報酬をもらえるんですか。」


声で男だとは分かったが聞いたこともない声でなぜ刺されたのか見当もつかない。

痛みで会話の内容に集中が出来ないが

どうやら電話が終わったようで男が話している声が聞こえなくなった


知らない男「兄ちゃん悪く思わないでくれよ。罪にも問われずに願いを

      叶えてくれるってんだ利用しないともったいないとおもわないかい?」


男が急に話しかけてきたかと思ったら発した言葉の意味が理解できなかった。

刺された場所から怒りが込みあげてくる。

僕と同じ目に合わせて苦しませてやる。

僕は男の姿を見るために顔を見上げた。


知らない男「おいおいそんなに睨みつけるなよ。俺は悪くないぜ

     「兄ちゃんの住んでいる場所とかは情報としてもらっていたが自業自得だと思うぜ」

    「 だって兄ちゃん有名人なのに自分のことをSNSで語りすぎだよ。」

    「行動パターンがよみやすかったぜ~」

   「誰に見られてるかわからないんだ気をつけないと」


くそぉ何言ってんだこいつ

こっちは痛みで声がプツプツとしか聞こえないのに


男は立ち上がり立ち去っていく。

その後僕の意識はゆっくりと流れる水のように消えていった。


^^END^^

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