語彙力を買いたい。
いくつか短編を書いては読み返して、ついに無視できなくなってきてしまう。自分の中の言葉の引き出しはこんなにも少なかったのか。この表現、また使ってる。この言葉、困ると使いがち。ああ、嫌になる。
大人になるまでにその人の文章力はほとんど決まってしまうんじゃないかと思う。小さい頃はぐんぐんとスポンジのように色んな文章を吸い込んでいたはずなのに。小説を声に出して読んでみたり、写して書いてみたりしてみても、そう簡単にはいかない。新しい言葉が自分に馴染んで、ぱっと引き出せるようになるにはきっと時間がかかる。スポンジはもうぶくぶくで、自分の貧相な脳みその容量を超えているような気がする。
例えば、自分は「泣く」をいくつの言葉で表現できるんだろう。子どもがわんわんと声を上げ、足元に水たまりができる。マスカラが滲み、目のふちが黒く染まる。涙雨が男の頬を濡らす。いくつかは思いつく気がするけど、思いつかない表現は知ることができない。思いついていないことに気付くことすらできないなんて、悲しい。無知の領域は感知できない、分かっているけど。でも、知らない日本語がまだあることにわくわくもする。
次の休みは昨日届いた小説たちをゆっくり読もう。
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