第29話 流れ

『……へー!オキナさんボウリング行ったんだ!いいなー。私もボウリング行きたい…。

でも次の日私確定で筋肉痛になるんだよね。

アハハハ!』


話題は、『リスナーが最近行った、楽しかった施設』だった。


ボウリングやカラオケ、野球観戦などなど、

楽しそうだなと思える場所ばかりだ。


そんな中に、俺もそれこそ今日行った場所の話題を出してみようと思う。


ヨシオ:

ボウリングは毎日通うくらいじゃないと筋肉痛なるよねw


⭐︎ノヴァと神がかりに120万負けた男:

初見です。


ねりまきの翁:

俺も筋肉痛で泣いてるよ笑

腕痛くてペンが持てない笑



『……わかる!あれは毎日通わないと腕とかマジバキバキになるよね。


……あ!初見さんだ!

えーっと、、、??


…っ!ハハハ


……えー…120万負け……ドンマイです


⭐︎ノヴァと鬼がかりに120万負けた男さん、

こんばんは!

塵も積もれば山となる━━━。』


…俺の名前をしっかりと認識したからだろうか。一瞬小さく笑う声が聞こえ、続けて自己紹介をし始めた。


さらにコメント欄も


お、おう。やら、ドンマイ…!やら、癖強笑笑


みたいなコメントで溢れていて、掴みは上々と

言えるだろう。


ここで俺が意識したポイントは

直接パチ⚪︎コという単語を名前に入れなくても

なにを意味するリスナー名なのかを配信主、

そして他のリスナーに察しさせることだ。


それに加えて(嘘にはなってしまうが)

「120万負け」という割と生々しい数字。


これにより、あれ?これってマジの負債じゃね?


と信憑性が上がるのだ。

ネットでは、それがたとえ本当のことであっても信じられる可能性はかなり低い。

だからこそ、割とありそうな負け額に設定するのだ。嘘だけど。


…だがここで油断してはならない。問題はここからだ。


初見のインパクトがなかなか強い分、

出オチリスナー(名称は俺が決めた異論は認める)

になりやすいためだ。


次のコメントも慎重に……。



『ふふ。私の配信では初めてだね。パチンカs

んんっ!

パチンコ好きな人。


いやまぁ、私もやったことないんだけどさ。

でも多いよね。配信者でやってる人。』


ねりまきの翁:

あー。確かに多いねぇ。俺もやったことはないけど見たことはあるかも。


漢検2級持ち:

前友達の誘いで行ったけど、2万円無くなったからあまりいいイメージないよ…。


Na-kun:

モニカちゃんは辞めときなよ??


…ふーむ。

次のコメントを考えている間、みんなの反応を見ていたが、やはりいいイメージは持たれていないようだ。


ま、それもそうだろう。パチンコ好きなリスナーはパチンコ好きの配信者のところに集まるだろうしな。


俺はそんなことを思っていたのだが、


『……んー。でもねー。


……正直に言っていい?

実は、少しだけやってみたいんだよね。』


まさかのやってみたい発言。

コメント欄も


辞めておけ!せめて1円に!割とマジでハマったら抜け出せないよ……。


と止める声ばかり。


そんなところにこんなコメントを投稿する。


⭐︎ノヴァと鬼がかりに120万負けた男:

大丈夫大丈夫。いつか勝つからノーダメだよ。

だから俺は1円たりとも負けてないよ。いつか勝つからね。


うん。これは他のリスナーからブロックされても仕方がない。

だって辞めるよう言ってるみんなのコメントの中で推奨するようなことを言ってるんだもの。


だが、他のリスナーはそんなことできなかった。なぜならば


『あははは!

いつか、勝つからノーダメって……フフ。


ノヴァさん、あなたの負けた数字を見て?

ちょっと信じるのは難しいかな?』


モニカちゃんが笑っているからだ。


そして、モニカちゃんが笑ってくれたおかげで、他のリスナーも便乗してくる。


ねりまきの翁:

負ける奴はみんなそう言うんだよな笑笑


Na-kun:

さすがパチンカス。言葉の重みが違うぜ……!


漢検2級持ち:

今日の初見癖強くないか…??


えんぴつボロネーゼ:

挨拶しようとしたらエグい名前の人がおるんやが…ww


スパイシーレバー:

ただシンプルに名前がやばい


牛乳プリン:

強く生きて……


『負ける奴はみんなそう言う…ww


あはっw確かに濃ゆい人来たなぁ…w


うん…強く生きて欲しいね。』


⭐︎ノヴァと鬼がかりに120万負けた男:

いやいや、勝負は最後勝てばいいんだよ。

だから少し涙が流れただけでノーダメだよ。


『ふふ、ははは。

それはノーダメージなの?

涙流れちゃってるけど』



漢検2級持ち:

痛覚麻痺してんだよきっと


『━━━━!

痛覚麻痺してっ…アハハハハハ。』


モニカちゃんはどうやらツボにハマってしまったようで、どのコメントに対しても色々な笑い声を聴かせてくれる。


すると、やはりモニカちゃんの笑顔が見たい他のリスナーたちも、俺へのツッコミコメントを

書き始めてもう流れは完全にこっちのものとなった。


━━━━━━━━━


一旦ここで終わります。


次回の更新はすぐです。


ここまで読んで頂きありがとうですパチ。


ぜひ評価してくださると嬉しいパチ。













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