第28話 ついに


『今日も1日お疲れ様! 労い雑談しよ!

#新人Vtuber #雑談 #Free talk』


ねりまきの翁:

待機


Na-kun:

待機


漢検2級持ち:

待機



『………あーあー。

みんな聞こえてるかな?


こんモニカ〜!みんな待機ありがとー!

お仕事とか学校お疲れ様だよ━━━』


いつものような感じでモニカちゃんの配信が始まった。


久々に聴くモニカちゃんの声は安定の可愛さだった。

登録者も少しだけ増えており、この期間でもしっかりと活動を続けていたようだ。


…さて、そろそろ俺も挨拶をしよう。




漢検2級持ち:

それはめちゃくちゃ楽しみだわ


佑:

こんもにかー。


山里のタケのこ:

大体なにをするとかは決まってるの?


『…でしょー?コラボ楽しみにしててね!


あ!佑くんコンモニカ〜!ゆっくりしてってね!


…なにをするかはまだ決まってないよ!

今はとりあえずコラボしませんか?って来て、二つ返事で大丈夫です!!って言っただけだから!笑』


……ほう。コラボか。

新たなVtuberを見つけるきっかけにもなるし、

逆に相手のリスナーさんに認知してもらえる

可能性も上がる。

そしてなにより、お友達が増える。


モニカちゃんにとってはいいことなのではないだろうか。


とまぁ、一旦コラボの話は置いておいて

話題がコラボから移り変わったのを見計らって

俺は早速伏線を貼っておくことにする。


それは━━━


佑:

そういえば、今日遊んだ友人にモニカちゃんを布教しておいたよ!


『……えー!?本当?佑くんありがとう!

布教してくれるともっとたくさんの人とおしゃべりできるようになるからめっちゃ嬉しい!


他のみんなもぜひ布教してね!

それで来てくれた人みんなに好きだって言ってもらえるよう頑張るから!


…ちなみにさ、佑くん。

どんな感じで布教したのか聞いてもいーい?


嫌だったら全然いいんだけどさっ!』


やっぱり気になるじゃん?!と言いながら

画面のモニカちゃんが忙しなく動く。


ど、どんな感じに。か。

全然考えてなかったな。どうしよう。

まぁ、あまり難しく考えなくてもいいか。


シンプルに今俺が感じているモニカちゃんの

印象を素直に書けば。


ねりまきの翁:

僕も気になりますっ!


佑:

え?普通にめちゃ可愛くて、声良し。顔良し。

トーク力良し。仕草良し。とにかく全てが完璧なVがいるから見るべき。 って。


『…っ!

あははは!そんな感じに布教したの?!

ほんと!?めっちゃハードル上がったね!笑』


佑:

えぇ??本音を言っただけだが??


『えー?佑くんそんな感じに思っててくれてたのー?ありがとう!

じゃあその布教された人に幻滅されないように気をつけるね。』


少し騙すような形になって心苦しいが、

登録者が1人増えることに免じて許してほしい…。


とりあえず、しばらくしてからサブ垢で

「佑くんから布教されて来ました。」

と言えば、『佑』と『サブ』がリア友、または親しい間柄だと思わせることができる。


そうなれば、色々と便利になると思うのだ。


よし。ここからは普通に楽しもう。


それから1時間ほど経ち、ちょうどモニカちゃんが布教されたことを忘れそうな頃。



佑:

ちょっと急用ができたので失礼します!

お先にオツモニカ〜!



『……お。佑くんお出かけするのかな?いってらっしゃーい。来てくれてありがとうー。

おつモニカ〜!』


ついにサブ垢の出番という訳だ。


しかし、『佑』が抜けてすぐだと下手したら同一人物だと思われるかもしれない。

ここは数分くらい間を置いた方がいいな━━


そしてまた、数分後。


……よし。そろそろか。


そして俺は『アカウントを切り替える』ボタンを押して、あらかじめ作っておいたアカウントに切り替えた。


━━━━━━━━━


一旦ここで終わります。

続きはまた1週間以内に出しますのでお楽しみください。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

感想、評価等してくだされば作者は飛び跳ねます。








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