第27話 練りあがるキャラクター像

さて、何をしよう。

腹一杯で、あんまり動きたくない気持ち。


近くにボウリング場もあるけど、あまり俺は1人でやりたくない。


そう、やるならば1人でも楽しくあまり動かないもの。


だかしかし、そんな娯楽があるのだろうか。


そう思ってふと俺の視線は右方向へ向いた。

そして、その先にあったのは────




キュインキュインキュイン‼︎‼︎


ブルルルルルルル‼︎


ブォォォォォン!!!


0コーーーーーーーーーーーーン!!!!


大きな音が苦手な人は寄りつかない、リスクを求め、脳汁が出るか涙が出るか、勝つか負けるか全てを運に任せる変態共の集まる場所。


はいそうですパ〇ンコです。


実は自衛隊に入隊していた頃、俺は同期に

誘われすっかりパチ〇コにハマっていた時期がある。


後期教育へ入ってからは全然行かなくなってしまっていたが、前期の休日はほぼ毎日行っていた。


それにここならあまり動くことないし、シンプルに久々で楽しいし、ちょうどよかったかもしれない。今んとこ3K(3000円)つっこんで当たりなしだけど。


まぁ演出を見るのもまた一興。



……パチン〇の話は特にイベントもないので

ここまでにする。


〇〇〇〇〇〇〇〇


……ふぅー。


ぼちぼち当たったり外れたりを繰り返し、

最終的な結果は10,000負け。


割とマジで今の俺には痛手だけど、仕方がない。だけど後悔はしている。


結局1円を打っていた為、かなりの時間を

パチンコに費やしてしまった。

そろそろ帰らないとモニカちゃんの配信に間に合わなくなる。


別に外で見ればいいじゃないと思うかもしれないが、失礼な話、外で見るのは恥ずかしいと思っている。Vtuberさんごめん。


━━━━モニカちゃんの配信予定時刻の

約30分前、俺は家に帰り着いた。


今日に関してはカツ丼を食ってパ〇〇コ行った

だけだけど、まぁ話題にはなるかなー。と思っている。


「……あ、佑じゃん。おかえり。

何しに行ってたの?」


え。何をしに行ってた?パチンコだが。


とはとても言えない。だけどカツ丼食べに行ってた。と言っても え、それだけ?と言われるのがオチだ。なんか適当に考えるか。


「あー。

カツ丼食いに行って、買い物とか色々してきた。」


我ながら考えるのが下手。色々ってなんや色々って。


「ふーん。ま、いいや。

もうすぐご飯だからリビングにいてよね。

今日も私の手作りだぞ❤️」


「はいはい。期待してるよ。」


「ぶー。もっと喜んでよ…。

もう佑のだけ少なくするからねっ!」


べーっ!と口に出して言って、さゆりはトコトコと去っていった。


最近は夜食も作ってくれるようになって嬉しいことには違いないが、なんとなくそのことを知られると揶揄ってくる気がいや絶対揶揄ってくるから態度には出さない。


部屋着に着替えてリビングへ行くとさゆりがすでに座っている。

テーブルの上には多彩な料理が置かれていた。


「…今日も父ちゃんたちは仕事だっけ。」


「うん。ちょうど1時間前くらいに出たかな。」


「そうか。


……それにしても、美味しそうにできてるな。」


「でしょー?!頑張ったんだから!」


褒められたのが嬉しかったのか、食べる手も

軽快に動き表情も口元をもにょらせている。

単純だけど可愛いところだ。



「……あ。そういえば、今朝キャラクターの話してたけど、どうなったの?」


「あ。


そうそう。全然決まらんくて、もういいや!って出かけてたら考えるの忘れてた。」


「えぇ?そうだったの?

そんなに悩む必要ないと思うんだけどな。」


「そういうもん?」


「うん。

正直な話、キャラクターを作ってくるリスナーって飽きられちゃう。と思うんだ。


そりゃあ、最初の方は面白い!ってなるんだけど、日を重ねてくるとだんだん

あ、またこのネタか。

ってなる。と思うんだよね。


だから、ネタが豊富っていうか飽きさせない

ような話ができればいいんじゃないかな。


だから、変にキャラを作らなくても大丈夫だと思う。」


「……なるほどなぁ。」


言われてみればそんな感じがするかもしれない。

一時期はめちゃくちゃ面白い!と思ってた芸人さんも、いつのまにか飽きられていざそのネタを見ても、またこのパターンか…。

となってしまう。


つまり、変にキャラを作ってしまえば逆効果になる可能性が高いということだ。


……自分は面白いキャラを作ることに囚われすぎたのかもしれない。


ならば、普通に体験したことを雑談とかで話すようなリスナーでもいいんじゃないだろうか。


その中で、タイミングがあれば状況に合った

的確なコメントで笑いを取ればいい。


「…まぁでも。

飽きさせないような工夫がされたキャラクターなら、配信者もそのリスナーのことを覚えやすいんじゃないかな?」


何か含みを持たせたような表情でさゆりが言った。


飽きさせないキャラ。か。


………あ。いいの思いついたかも。


それからは雑談を交わしつつ、テーブルの皿に盛り付けられた料理を消費していった。


…なんというか、最近さゆりにアドバイスもらう機会が増えてる気がする。


今度なんか美味しいの買ってきてやるか…。



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