ムーンダストの花をもう一度

「この花をお願いします」

花屋でムーンダストを買い、私はある家へ足を運ぶ。

「いらっしゃい。依月いつきさん。それに冬馬とうまも。」

「お腹の中の赤ちゃんは大丈夫?」

と私たちを出迎えてくれたのは

「お久しぶりです。望さんに大毅さん。」

「もー!それは芸名よ!」

「なんか……あの頃を思い出すな……」

と2人が言った。ちなみにお義母さんはあの事件以来車椅子で過ごし、日本初の障害者女優となり、そして去年病気が発覚した。お義父さんはそんなお義母さんを支えるために芸能界をやめてお義母さんを死ぬまで看病したいと言い身の回りのものは全てお義父さんが行っている。

「あ!ほら!お義母さんどうぞ!」

「毎回……ありがとう!依月さん!」

そう。お義母さんは決まってムーンダストの花を渡すとニコリととっても全開な笑みをしてくれる。
















望side

「あ!こら!のんちゃん!もう横になってないと!」

「大丈夫よ。私……あのときで終わってしまうかもしれないって思ったの……」

いつか言えなくなる前に

「だけど大毅が私の手を掴んで離さなかった……。だから私にはこの人しかいないってやっと好きだって気づいたの。」

言葉足らずの愛をあなたへ

「結婚して、子供産んで、私幸せだった。」

想いを綴って

「のんちゃん。俺ものんちゃんで良かったよ。だから2人で来世も幸せになろう?」

と大毅は私を抱きしめる。

「もちろん。来世も私を探してね……」

最後に触れた大毅のぬくもり。そして大毅も最後のぬくもりを感じたのは私だけ。






依月side

「2人一緒に死んだ……!?」

突然の事に私たちは驚いた。、冬馬は涙ぐむ。私は冬馬をギュッと抱きしめる。

「だけどそうだよな。父さんが母さん1人で天に行かすことなんて絶対ありえないって思ってたから……」

と空を飛んでいる鳥を見る。

どうか来世でも2人が結ばれますように。

ムーンダストの花をもう一度

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ムーンダストの花をもう一度 明智 依毬 @moonlight52

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