第15話
大毅side
「のんちゃん!」
俺たち兄弟は急いでのんちゃんのいる病院へと向かった。するとそこにはたくさんの管でつながられていて眠っているのんちゃんがいた。
「う、うそだろ……」
「なんで……」
「のんちゃん、起きてよ」
「また失わないといけないのかよ……」
俺たちが落胆する中ヨルガとゼンが来た。
「おまえたち……」
「ごめん!大毅!のんちゃんが俺を庇って……」
「んなことどーでもいいんだよ!」
とひーくんがヨルガの胸を掴んだ。
「やめろ!ひーくん!」
「コイツのせいで……!のんちゃんが……!」
「俺のせいでもある……俺のファンがのんちゃんをよく思ってなくて……それでセットの金属の柱をのんちゃんに最初倒そうとしたらしいんだけど、のんちゃんはそれに気づいて先にその近くにはいなかったんだ。だけど俺が鈍いせいでたまたまその柱が俺に倒れてきてのんちゃんが下敷きになって……俺は軽傷で済んだんだ。」
ヨルガは俯く。すると廊下からうるさい女の声がしてしばらくしてのんちゃんの病室のドアが開いた。
「あー!やっと死んでくれたんだ!このブス!これでヨルガは私のもの!」
と狂ったような発言をしていて俺はキレて
「いい加減にしろ!お前のせいで人が死にかけてるんだ!」
「そんなのぉ、私のパパがなんとかしてくれるしぃ……!」
匂いのキツい香水、ブランドものを身につけているこの女はのんちゃんと同じ女子じゃないと思った。
「じゃあまたねぇ、ヨルガ!」
ドアを乱暴に閉められヨルガは拳を握りしめ
「あいつ、元々俺の幼なじみだったんだ。」
「は!?」
あんな女が?
「だけど元々独占欲は強いし、俺はあいつのこと好きじゃない。それに勝手に俺と婚約しようと金でねじ伏せてきて……それで俺は芸能界に行って色んな人に助けてもらおうとしたんだ。あいつは金持ちだから俺1人じゃ戦えないって思って……」
ヨルガからポツポツと言われる言葉に俺たちは唖然とした。そうか……こいつは今まで守られなかった人だったんだ。
「ヨルガ……、のんちゃんはヨルガを守れてよかったってきっと言うよ。」
と言うと俺の肩にポンっと兄弟みんな手を置き
「そう。だから大丈夫。」
「なんせ、俺たちの家族なんだから!」
「のんちゃんの帰りを俺たちで待とう!」
と笑顔でヨルガを慰めた。
「ヨルガ、安心しろ。俺の親戚の力が後日力になってくれるよう対応する。」
「……のんちゃんも大毅も2人はそういうところ似てるんだから。」
とヨルガはふっと笑った。
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