あなたを待っている【超短編】

北風 鏡

第1話

僕は待ってるのが好きだ


あなたがこの扉をあけて僕の名前を呼ぶ


それが嬉しかった。


今日もいつも通りの時間に家を出ていくあなたを見送る。


いつも通り日向ぼっこをしようと窓側に行くと空はどんよりしていた。


傘持って行ったかな?雨に降られないといいな



ーーーーーーーー



ん~今日もよく寝た~!


そろそろ帰ってくる時間かな?


あれ?今日はいつもより遅いな


まだかな~まだかな~


なんか外が騒がしいな


なんだろ?早く帰ってこないかな~


・・・結局夜になっても帰ってこなかった


朝になったら帰ってくるかな?


たまに外でご飯食べて帰ってくることあるもんね


今日もきっとそうなんだ!


朝になったら帰ってくるよね!


今日は寝ちゃおう…



ーーーーーーーー



・・・朝になってもあなたは帰ってこない


来る日も来る日もあなたが帰ってくるのを待っていた


ある日、以前家に遊びに来た事がある人が家に入ってきた


黒い服を着ていた


どこか寂しそうな顔をして僕を見ている


ねぇ!君たちは僕のご主人様どこにいるか知ってる?


仕事に行ったっきり帰ってきてないの!


「可哀そうに…あの子は家の前の道で車に跳ねられたのよ…」


そう言って泣きながら頭を撫でてくれた。


懐かしい感覚だ。


早くご主人様に撫でてもらいたいな~



-fin-

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あなたを待っている【超短編】 北風 鏡 @kita_kaze_

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