第22話 イタ電
ミサコに頼んで、お願いをしてもらってからは
奥さんは二度と現れなかった。
その代わりに非表示の無言電話が
一日中、留守番電話に残されたるようになった。
ナミコはミサコに電話してこの事を話した。
「元々嫉妬深い奥さんだもの、頭にくるわよね。」
これは仕方ないか、、。ミサコが言う。
「でもね、奥さん、あの人はね、私だけじゃないのよ。歯科医の集まりで錦のクラブに行ってるでしょ。
そのクラブの女性達とも仲良くしてるのよ。
金持ちと結婚するって、こういう事なのかもしれない。
確かに贅沢な暮らしはできるけど。
いつも嫉妬に苛まされて、、。
そう思わない?」
「そうだよね。専業主婦やっててお金使いたい放題なんだからさ、浮気のひとつやふたつ
ほっといて好きな暮らしすればいいのに。」
「ミサコ、あんたってさ、凄いわよ。
今だって、おじいちゃんから援助してもらって、別のノロさんとも不倫じゃん!
真似できないわ。」
「あのね、おじいちゃんはお金なの。
ノロさんは愛情があるから一切援助なんか受けてないわよ。」
「そうなの!」
「当たり前じゃない?本当に好きならそんなのどうでもいい。ただ、好きで一緒にいれたらいいんだもん。」
「やだ、意外と純愛なんだー。」
ナミコはミサコのようには出来ないと思った。
でも、ミサコはミサコの生き方があるんだし否定しようとは思わなかった。
私は私。
二度と、不倫と金持ちはごめんだわ。
しばらくは男はいらない。
自分の力でやる方が気楽だもん。
でもね、何にも無いよりかはマシだったわね。
ふふふ。
不倫 菜の花のおしたし @kumi4920
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