22話

「おい、これはどういうことなんだ」


それは日が暮れようかという時間クリスターズが全員帰ってきてユリエラさんのご飯を待っている時間クリスターズの面々は困惑の表情を浮かべそろって一点を見つめる。その目線の先には痩せ細り健康とは言い難い見た目をした獣人の中でも珍しい2本の尻尾を生やした少女が男に抱っこされ男の胸に顔を埋めているよくわからない状況


パーティーハウスに来て二日目にしてクリスターズはアムールという男が一体何なのか分からなくなってしまい。困惑するしかなくなった。


「どうもこうも成り行きでこうなった」


「説明を面倒くさがるなせめて最低限の説明はしてくれ」


「いや....マジで俺にもよくわからないんだ。この子が起きたっていうから様子を見に部屋に入ったら俺の顔を見るなり泣き出すんだ。俺の顔が怖いのかとも思ったんだがそうでもなさそうだったから泣き止むまで頭撫でたり声をかけ続けてたらなつかれた」


「よくわかんねーよ....なんでそんなトントン拍子に話が進んでいくんだよ。もう付いていけねぇーよ!」


そんなこと俺に言われても.....

俺も困惑してる側の人間だし


「まぁ、そういうことだから、もし無理そうなら出ていくのもやぶさかではないが....正直まだこの子の容体は安定していないもう少しの間ユリエラさんの力添えが必要なんだ。それまではここに居候させてくれ」


「う~~ム.....」


「クリューズさん別にいいじゃないっすか。この子も俺たちと同じでアムールさんに助けられた同志なんですから」


「そうね、私も賛成よ。同じ亜人として見過ごすことはできないわ!」


「........」


アリシアは判断しかねているな。やはり宿をとるしかないか


「無理はするなよ、いちよう冒険者ランクCになったから」


「うんうん.....ってえ!?Cランク!?俺一瞬で追い抜かれた......っす」


そう言いながら床に膝と手をつけ全身で悔しさを表現しだした


漫才か!


思わずツッコミそうになった


「まぁ、クロムの言う通りか....良いぜ!自分の家だと思って楽に過ごしてくれ」



「よかった。新居なんて探すの面倒だったから助かった。部屋は今俺が使ってる部屋を使うよ」



「駄目です!」  ダンッ!



そう言って勢いよく机を叩いたのは先ほどから黙ったままだったアリシアだった


「駄目です!いくらミレイちゃんが幼くても女の子なんです!それなのに男性のアムールさんと同じ部屋だなんて.....不健全です!」


そう言って顔どころか耳までも真っ赤にして叫びだす

ミレイは今の大声にビクッとして俺の服を掴むか細い腕に力が増した


「....あのさ、アリシアがどんなこと想像してるか知らないけど俺は幼女を襲うほど飢えてないからな....フッ...っていうか意外とムッツリなんだな」


思わず笑ってしまう


「なッ!」


思わぬ口撃に目をあらん限り見開いて口をパクパクさせる


「ガハハハッ!その通りだぞムッツリアリシアコイツはそんな奴じゃない」


「クリューズ!あなたまで私のことをムッツリと呼ばないでください!」


「何か間違ったこと言ったか?このムッツリめ!」


そんなクリューズを見た他二人もアリシアいじりに参加して最終的にアリシアが拗ねて俺に八つ当たりしてきたが渋々ミレイが俺の部屋で生活することに反対しなくなった。




・・・・数日後・・・・

今日はミレイをユリシアさんに預けて依頼を受けるために冒険者ギルドへ来ていた。


事の経緯は、昨日クリューズから聞いた話なんだがギルマスの娘が何日も依頼を受けに来ない俺に体操ご立腹のようで頬がこれまで誰も見たことがないくらい膨らんだ状態で他の冒険者の受付をしているらしい。他の冒険者も何事かとヒソヒソと噂しているそうだ



帰りたいという思いを心に留めてギルドのドアを開ける。冒険者は基本朝のうちに依頼を受けるため昼前の今ここにいる冒険者は休暇のパーティーかアル中の二択だ


と周囲を見ているを鬼の形相をした日本に居れば芸能界をひっくり返すレベルの容姿の持ち主.....そうレイチェだ


「アムールさん!一体いつになったら来るんですか!?」


「そ、そんなに怒ったら疲れない?」


「疲れますよ!でも、それ以上に....なんで依頼を受けに来てくれないんですか!?」


「いや...な?色々あたんだよ」


「問答無用です!言い訳なんて聞きたくありません!」


「自分から聞いといて?」


思わず声が上擦ってしまった......

しかし....少し理不尽すぎやしないか?数日来なかっただけで確かに来なかったのは悪かったけどそもそも冒険者って自由業のはずだろ?


そんな事を考えているとレイチェはそそくさと厚めの辞書くらいの厚さをした紙の束を受付の奥から持ってきた


「な、なぁ...これって一体何?」


その厚さに思わず顔が引きつる


「何ってあなたに任せたい依頼です。要は指名依頼ってことですね」


そう言いつつ俺の顔を見たのち先ほどとは打って変わってそれはもう満面の笑みを浮かべている


コイツ....

少しの怒りを覚えつつそれを飲み込む


「はぁ...とっとと依頼の内容と経緯を教えてくれ」






🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

本当に久々の投稿ですね

ぜひコメントください!!(-_-メ)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

拳聖の異世界放浪譚 瑠奈 @lunabenrina

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ