17歳、青春

第1話 17歳、青春

　電車内だれもがスマホを見てるなか彼女はいつも顔を上げてる

　制服でわかる一緒の学校変わらぬ年齢　それでもぼくには遠すぎた

　変わらない学校までの通り道　それが楽しい１日の始まり　

　同じ場所、同じ時間を過ごしてる　だけど知らないだから会えない

　窓際で運動場を眺めてたぼくの視力は0.01

　慣れない学食人混みで音も立てずにうどんをすする

　知りもしない他人を好きになるなんてバカじゃないかと見下していた

　恋愛はゲームのようにいかないから　いや違う単に恋は苦手なんだ

　恋心、黄昏時に忍ばせてきみの姿を今日も見送る

　野良猫に餌をやるのは偽善だと知っているけど猫はかわいい

　ネットでも息を潜めて眺めてる　誰かと誰かのやり取りをただ…

　SNS名前も知らない彼女を探して見つからなくてほっとした夜

　いつもそう容易くだれかが成し遂げる　頑張るぼくには気づきもしないで

　目があって戸惑うぼくとは裏腹に彼女は微笑む大人みたいに

　おはようの４文字さえも言えぬまま俯く自分は情けなかった

　繰り返す自問と自答今更だ　わかっているのにまだここにいる

　電車よ止まるなぼくがまた逃げたみたいに見えるだろうが

　どうすれば傷つかないで済むだろう？　結局ぼくはそういう男だ

　そしてまた独りよがりな恋をする　逃げてばかりで戦わないから

　17歳　先輩も後輩も友達もいない　それでも青春まだ期待している