第2話 旅路
村からレインタウンへはかなりの旅路だ。
村を出て2日目だが天気も良く足取りも軽い。
大きな石を背負って野山をかけ巡らされたことを少しだけジジイに感謝している。
まずはベリオ森を抜けコルテスの渓谷を渡り、今はレビオ山を登っているそしてこの後は...
「おいそこの大荷物のお前、」
いきなり目の前に2m半はあろうかという鬼の女に道を阻まられそいつの合図とともに狐人の男とそれに率いられた子分らしき奴らが一瞬のうちに虚空より現れて取り囲まれてしまった。
鬼女は
「俺はここ一帯を取り仕切るベチというもんだ。金を払うかここで死ぬか選べ!」
「その2択しかないのかよケチだなぁ。乳はでけぇのに」
と言ってやった
「んな!!!ここで死ぬを選ぶとはな」
「いやそっち選んだわけじゃねーし」
「金を払う以外の答えは死と決まっとるんじゃ!」
とここまで威勢を貼ったはいいが妖術を使える奴らしかも人数不利で勝てるわけでもない。俺は脚に魔力を集中し、ベチの頭上をハイジャンプで飛び越えて逃げた。
「逃げるな!まだ命は貰っておらん!」
まさに鬼が鬼の表情で掛けてくる
「逃げるなと言われて止まるやつがあるかよ!」
しかし目の前に狐男が現れる。見るからに華奢でこいつだけなら簡単に倒せそうだとハイジャンプの要領で蹴りを入れる。だが確かに当たったはずなのに空を蹴り、足にロープが引っかかり空中に釣られる。
どうにか切ろうと靴の仕込みナイフで切ろうとするも頑丈なロープはなかなか切れない
そうこうしているうちに奴らが近づく。
またジジイの顔をみなきゃいけないのかと思いながら下ろされるのを待っていると破裂音のような音が3度程聞こえベチ達が撤退していく。
どうやら近くの村の自警団が来たようだ。
あまり馴染みは無いが銃という武器を持った団員が2人、魔法使いが1人、長剣を持った男が1人
話を聞くとどうやらたまたま哨戒していた時にベチ達一同が俺を追いかけているを見て討伐するチャンスだと来たらしい。
パリッとした服に長剣、そして女たらしっぽい顔をしたジョニーと名乗る哨戒班の班長は言う。
「あいつらには困ったもんだ。辺境の貴重な品々を持った商人達を片っ端から襲っていて困っているんだ。ベチの奴もそういうことをしなけりゃいい女なんだがなあ」
わかりみが深い
「良ければ捕獲手伝いますよ助けてもらいましたし一応武器もあるのでね」
と言ってみる。ジョニーは
「ほうそれはありがたいが、何も出来ず逃げていた君に手伝えるのか?」
そこに魔法使いらしき小柄な女性が話に割って入る
「班長そろそろ戻る時間です。連絡具から戻ってこいと煩くて」
「とりあえず村まで降りるか」
しばらくして村につく。持ち物は武器以外全て投げ出してしまったが金はあったので今夜は宿に泊まることにした。明日は朝ジョニーのところに行くことになっている。自警団の食堂で飯を食わせてくれるらしい。
宿は1階は石づくりの飲み屋だが2階と離れが宿となっている。2階は個室だが離れはタコ部屋で安かったからタコ部屋にした。軽く夕食を済ますと眠りに付いた。
フリーランス @hataba
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