フリーランス
@hataba
旅立ち
第1話 門出
ジジイが死んだ。
村で執り行われる小さな葬式、牧師のありがたいお言葉の後みんなで祈り棺桶に入ったジジイは土の中へと送られた。
村の皆からは慕われていたさ畑や村に来る害獣や魔物を村の若い衆を指揮し撃退してくれる。村の男達は皆あのようになりたいと言っていた。
俺はあんまり好きじゃなかった
確かに物心付く前に死んだ両親の代わりに世話をしてくれた。だけど傭兵の修行だと言って強制的に修練させられたのは頂けない。
そんなことを思いながら見送った。
この村では葬式の日の夜には村民全員で一緒に飯や酒を呑むという風習がある。
いつもはシワだらけでどんな表情か分からない村長までも明らかに悲しげな表情をしながら宴会の挨拶を始める。
「今日はとても悲しき日である。村の守護者であり英雄のイワン・レイの魂が無事ヴァルハラへと行けるよう祈りつつ食事としよう。食事は先人に感謝し酒は酩酊が死者と繋げるであろう。」
そして皆静かに酒を飲み食事を始める。
俺は食事が喉を通らなかったから酒を1杯呑んだ後少し席を外した。
そして近くの河原に座りぼーっとしていた
そしてあることを思い出し家へと帰った。身内が死んだってのにおかしなことだよな。
家に帰り俺はジジイに最後に渡された鍵を握り箱を開ける。中には樫の木の柄に鉄の穂が着いただけの簡単な槍とあまり見かけない形の長剣が入っていた。
直線に見えて少しそっていて軽いそして片刃である
装飾は最低限で黒色の鞘に収まっている。
形自体はジジイに修練の時振らされていた棒に似ている。そして槍は特にジジイから教えこまれていた武器だ。
そして封筒には
「なかの封筒は開けるな!」
と書かれていた。中を開くと手紙と見事な装丁の封筒が入っていた。
手紙には
「この封筒をレインタウンのドロウという店の店主に渡せ」と書かれている。
レインタウンには何度か行ったことがある。
ジジイの言うことを聞くのは癪だが最後の言葉だし食い扶持にも困りそうだったからそうすることにした。
そして朝荷物をまとめて家を出た。
村長に家を好きにしていいと伝えて。
まああんまりつまらない話を聞いてもつまらないだろうからこの辺にしとくわ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます