第10話 Bランク昇格試験
カイトを帰した後しばらくたって師匠が帰ってきた。そしていきなり、
「お前さ、ランク昇格試験受ければいいんじゃねぇのか?」
と提案してきた。
「まあ、そろそろ思ってはいましたけど……」
それから色々話し合って結局試験を受けることにした。
昇格試験当日、周りにはだいぶ図体のデカイ奴や質の高い装備を持っていたりするが俺は特に目立った物は身に付けてない、俺の魔剣竜魔は魔法でいつでも取り出せる。
つまり今の俺は完全に丸腰な状態だ。まあこの世界には拳で戦うタイプの人種がいるみたいだし、「俺こそが最強の拳聖だ!」みたいな意味不明な言葉を言ってる奴とかもいたし(ってか、それって剣聖のパクりじゃね?)、丸腰でも大丈夫だろう、と思っている。試験内容が発表されたが二人一組のチームを作って行うらしい。正直俺1人で余裕なんだがな……。
そう思って余った奴とでも組もうと思ってしばらく様子を見ていると5人の集団が言い争っていた、と言うより他の4人が1人を仲間外れにしている様子だった。
「俺とメリアが組んで、あとはエルとアークが組むからライトは誰か他の奴と組めよー!」
なるほど、あの4人がライトって名前の少年(俺と同年代ぐらいだが)を省いて組んだってわけか、
(なんか、ああいう奴を見てるとほっとけないんだよな。)
まずは同じく余った奴のふりをして近づいてチームを組むつもりだ、
「なぁ、君はまだチームを組んでないのか?」
「え、あ、うん。」
「だったら俺と組んでくれ!」
「え?……本当にいいの?」
「勿論!」
この演技ってやつは全然慣れねぇなー、でも、これでチームメイトも見つかったってことで……。
試験が始まるでは待機していてお互いの戦力把握をしておいた。俺は本当のことを言ってないけど、
そして昇格試験の内容のとおりに会場へと向かう、そこは闘技場だった。どうやらチームとチームで戦って採点をして上位8位までのチームが全員Bランクに上がるようだ。
そしていつの間にか残り16チームとなっていた。別に最後まで勝てばいいだけだと思うが大事なのは点数だからチームメイトとの連携がカギとなる。
俺とライトはすでに2チームを無傷で倒した。まあ、俺は特になにもしてなくてライトが勝手に勝ってくれてたんだけど、戦闘の間に気づいたことでライトのスキルは『閃光』って名前のスキルで魔法の詠唱速度や身体能力が上がるらしい。そう言えばこの世界ではだれでもスキル持ってるんだったな、すっかり忘れてた。
次の対戦チームはライトを仲間外れにしたエルとアークって奴らのチームだ、姿や特徴はライトから教えてもらったから分かる。
「次の試合のチームは準備をしてください!」
と試験官が言う、そして俺とライトは待機していた、隣を見るとライトが震えている。
「どうした、具合でも悪いのか?」
「いや、ただちょっと怖くて……」
そりゃそうだろう、集団に1人で立ち向かうのには勇気がいる。それも生半可な物ではないほどの。
「大丈夫!お前は、俺が守る!」
「……ありがとう、少し気が楽になったよ。」
ちょうどその時、
「準備時間が終わりました、両チームは会場へ!」
俺とライトは会場へと向かった、会場に行くとすでにエルとアークは待機していた。片方が、
「おい、おせぇぞ!」
「ご、ごめん」
「ったく、お前と組むことになったそっちの人がかわいそうだぜ!」そう言いながら笑っていた。そして、
「両チーム、定位置につけ!……始め!」
その声が終わった瞬間、アークが俺を狙って剣を突き刺そうとした。
(ライトよりも遅いが、威力は倍ぐらいか。俺は当たってもどうもないが……)
俺は拳でアークの剣をはじいた。
「なっ!?」
「気をつけろアーク!そいつなかなかやるぞ!」
連携はなかなか、だが俺には行動がまるわかりだ。
「逃げんなよ、アクアブラスト!」
ハンデのために俺が一番苦手な水属性魔法で勝負してやる。
「くっ、なめんなよバカ!ドラゴンファング!」
「カイトよりも弱い攻撃だな。」
そう言いながらアークの腹に蹴りをいれる、
「俺を倒したきゃ少なくともAランクの実力がなきゃな」
(1人やった。あとはエルって奴だけだ!)
その様子を見ていたライトは、
(すごい、今まで動かずに僕に戦わせてたのは相手に実力を知られないためか?、それにしてもアクアブラストってAランク冒険者でも無詠唱は無理だったような……)
アークがやられて焦ったエルは
「くっ、くらえ!ホーリークラッシュ!」
小さな光の玉が20個ほど出現して俺の周りをくるくる回る、直後一つ一つが爆発を起こした。
「やった!……、避けないとかバカな奴だな!」
と言いながら馬鹿にするように笑うエル、
「こんなもんか……、グランドクロス!」
死なないように手加減したが一発でエルは気絶した。なんなら瀕死状態にしてやっても良かったんだけど、
「勝者、ライト&りゅうまチーム!」
終わった瞬間ライトが駆け寄ってきて、
「大丈夫ですかりゅうまさん!ってあれ?エルのホーリークラッシュをまともに受けたのに傷一つないなんて!?」
「あの弱っちい魔法がそこまですごいのか?」
「いや、そう言うわけではないんですけど……。とにかく勝てたのはりゅうまさんのおかげです、ありがとうございます!」
「気にしないでくれよ、さあて、これで試験突破だな。」
次の日にBランクへと昇格したりゅうまとライトなのだった。
裏切られた皇帝は異世界?で冒険者として暮らす! メギウスZERO @megiusu0
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