日本人が英語を喋れるようにならないのはなぜ?②

 日本人が英語を喋れないのは学校教育のせいなのだろうか?

 先ほどまでの話を読んでいただけたなら、もうわかるだろう。

 英語自体、そもそも難しいのだ。


 学校がどれだけ頑張っても、我々生徒がやる気がないのではそもそも習得できないのは当たり前だ。

 なにせ、やる気に満ち溢れていたとしてもとてつもない時間を要するのだから。


 結論、英語を話せるようにならないのは、学校のせいではなく、我々日本人にあるということだ。

 まとめると、

①日本語を使いながら英語を教える今の状況ではそもそも難しい。

②日本語と英語の言語的な距離が遠すぎる。

③生徒がやる気がない場合は、どれだけ頑張っても無理。


 長々と話してきたが、結論は以上のことである。

 なので、英語が喋れるようにならないのは学校教育のせいではない。


 よくYoutubeのコメント欄に「学校英語って全然役立たないよね」的なことをよく目にするが、それは本当だろうか?

 私はそうは思わない。

 なぜなら、私は学校で学んだ英語を使って外国人と会話しているからだ。


 英語というのは言語だ。

 アメリカで話されている英語と、日本で教えられる英語はどちらも同じ「英語」という言語である。

 なのに、日本で教えられる英語は役に立たない?

 少し考えればわかることで、あなたの英語が通じないのはあなたの英語が所謂 "English" とかけ離れているからなのではないのか。


 つまりは、学校で学んだことを使いこなせていないだけなのである。

 それをあたかも学校が悪いように言って、自分の能力の低さを隠すのは蛮行というか、まさに愚者のすることである。

 責任転嫁をし、自分のせいじゃないと言い聞かせることで平常心を保っているだけに過ぎないのだ。


"My brother is very cute."


 日本人的発音では、これを「マイブラザーイズベリーキュート」と発音する。

 アルファベットに直すと、


"My blozer isu belii cuto"


 だろうか。

 日本語のカタカナと、英語の発音というのは全く別なのに、なぜか日本語に置き換えてから発音しようとする。

 これは、人間の脳がわからない情報を知っている情報に勝手に変換する機能がある為なのだが、それをやっているようでは英語はいつまでたっても上達しない。


 英語は英語で学ぶべきなのである。


"My brother is very cute."


これを、


「私の 兄弟 は とても かわいい」


 このように置き換えてから理解するのではなく、「英語を英語のまま」理解することが必要なのだ。

 これらの当たり前ともいえることができていないのは学校の責任ではなく、やっていないあなたの責任だ。

 外国人と英語で会話ができないのは、日本語英語のまま話そうとして、「正しい発音」をしようともしないあなたの責任だ。


「こんにちは、今日はとても良い天気ですね。よろしくお願いします。」


 この文章を、ローマ字にすると以下のようになる。


"Konnichiwa, kyo ha totemo yoi tenki desune. yorosiku onegaisimasu."


 これを、アメリカ人が英語の発音のまま読もうとすると、こうなる。


「コニチワ、キョーハ、トゥティモ ヨイ ティンキー デスュネ。 ヨローシク、オーンガイスィマス。」


 勿論、理解ができないほどかけ離れているわけではない。

 だが、決して「正しい」発音ではないし、「正しい」日本語とは到底かけ離れている。

 このかけ離れた状態のまま、生の英語を聞いて改善することもせず、6年間学び続けるのだ。

 なんの意味があるだろうか。


 喋れるようにならないのは当たり前である。

 RやLの発音は「ラ行」ではないし、THの音は「サ行」でも、「タ行」でもない。Vの音は「バ行」ではないのだ。

 これらの音は全くの別物なのである。

 音が似ているという概念すらない。全くの別物。

 その間違えた状態のまま、6年学ぶ。

 そりゃあ、喋れるようにもならないし、役にも立たない。



 そのような結果になってしまうのは、それを改善しなかったあなたが悪いのだ。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

日本の英語教育は本当に間違っているのだろうか 猫多淵雄@思想強い高校生 @NekotaFuchio

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ